ロッテ黒木、マウンドで涙…願い届かなかった「七夕の悲劇」17連敗阻止目前で同点被弾

[ 2020年4月18日 09:00 ]

9回2死一塁、から同点2ランを浴び、鈴木コーチ(右)からなぐさめられる黒木
Photo By スポニチ

 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~名勝負編~】昭和、平成の名場面をスポニチ本紙所蔵の秘蔵写真からお届けする「Lega―scene(レガシーン)」。プロ野球の名勝負編、第5回はロッテがプロ野球の連敗記録を更新する17連敗となった1998年7月7日のオリックス―ロッテ戦(神戸)。ロッテ先発の黒木知宏投手(当時24)が9回2死から同点弾を浴び、延長戦で敗れた「七夕の悲劇」です。

敗者が脚光を浴びる試合もある。3―1の9回2死一塁。「ジョニー」こと黒木知宏は、打席のハービー・プリアムを1ボール2ストライクと追い込んだ。勝利は目前だった。

16連敗中。愛称のイメージとは違う。生真面目な男は、誰よりも責任を感じていた。黒木は故障した守護神・河本育之の代役で6月中旬に配置転換した。

ところが生粋の先発型。急造ストッパーは無理があった。3戦連続で救援失敗し、チームの連敗が始まった。

不名誉な記録は自分が止める。悲壮な決意で挑んだ先発再転向は肩、肘に過剰な負担となっていた。

あと1球まで執念で投げ抜いたが、右腕は限界を超えた。その139球目。25日ぶりの勝利は、プリアムの同点2ランに消された。

マウンドにしゃがみ込んだ黒木に余力はなかった。疲労とけいれんで右肘が曲がらない。抱えられ、よろよろとベンチに戻った。

チームは延長12回の末に敗れ、プロ野球ワーストの17連敗を喫した。黒木は、ロッカー室で号泣した。(敬称略)

 ≪翌日も敗れ18連敗≫メイン写真の横には右肘を曲げられない黒木の姿も掲載された。6月13日のオリックス戦から1分けを挟んで17連敗。36年大東京(1分けを挟む)、70年ヤクルトの16連敗を更新するプロ野球ワースト記録となり、翌日も敗れて18連敗は今も破られていない。黒木登板のこの一戦は9回2死までリードしながら敗戦。連敗期間中、6月18日の近鉄戦(9回2死まで5―2)6月23日の日本ハム戦(9回1死まで10―9)とあと一歩で白星を逃したのが3試合あった。

続きを表示

2020年4月18日のニュース