東都 ドラフト候補に「トライアウト」案浮上 春季リーグ戦断念、競技継続希望者にアピールの場を

[ 2020年4月18日 05:30 ]

東洋大の村上
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 東都大学野球連盟は17日、今春1~4部のリーグ戦と入れ替え戦の通常開催を断念すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の終息が見られないための措置。8月に延期された全日本大学選手権に出場する代表校決定はトーナメント方式などを含め協議する。秋のリーグ戦開催にも影響する可能性があり、現場の監督から競技継続希望者のためのアピールの場を設けるよう要望があったことも明らかになった。

 この日、春のリーグ戦の通常開催断念を発表する中、瀬尾健太郎事務局長は「秋のリーグ戦も通常通り開催できるとは思っていない」とし「現場の監督からは、野球継続希望者をスカウトの方々に見てもらえるトライアウトのような機会を設けてほしいという声も上がった」と明かした。

 今年の東都大学リーグでは、昨秋覇者の中大の強打者・牧や「サニブラウンに勝った男」こと俊足を誇る五十幡をはじめ、東洋大のエース村上、亜大の名手・矢野ら多くのドラフト候補がいる。秋のリーグ戦開催も不透明とあって、現場の監督からは社会人も含めた競技続行希望者の進路について「試合数が少なくなることで純粋にアピールする場が減ってしまう」と危惧する声が上がっている。またプロのスカウトや社会人の採用担当者からも大学だけでなく高校、社会人の看板大会の中止が相次ぐ中でチェックの機会の喪失を憂う声があるだけに、瀬尾事務局長は「(競技が続行できるかどうかの)当落線上の選手もいる。一般学生の就職活動も含め、支援ができれば」と今後検討していく方針を示した。

 緊急事態宣言が全国に拡大され、深刻化が増す新型コロナウイルスの感染拡大。競技続行希望者の救済となるか、注目される。

 【1部6校の現状と監督コメント】

 <亜大>3月28日に活動自粛。選手は親と相談の上で帰省するか残るかを決めてもらい、4月5日に解散して12日に再集合。13日から個人練習。
 ▼生田勉監督 致し方ない。学生の安全確保が第一です。ただ今回は前例のない事態。みんなでもっとしっかり話し合い、案を出し合った上で判断を下すべきだったと思う。

 <国学院大>練習を含めて活動を自粛中。選手は4月1日から帰省している。
 ▼鳥山泰孝監督 学生の活躍の場が縮小されるのは残念だが、とにかく今は命が最優先。仕方がない。全日本大学選手権に向け(代表校決定の)試合が開催されるにしても、それに向けて準備がしっかりできるのかという心配はある。

 <駒大>5月6日まで活動自粛でグラウンドも閉鎖中。自主練習中の部員にはリポート提出を呼び掛けた。
 ▼大倉孝一監督 昨秋から準備していたけど事情が事情だから仕方ありません。引きずることなく切り替えていきます。学生には日本が一大事という今だからこそ考える時間を持ちながら歴史を勉強してほしい。

 <東洋大>3月31日から5月7日まで活動自粛。学年ごと曜日別に現在の自主練習をメール報告。監督が返信。
 ▼杉本泰彦監督 今は野球をやっている場合ではないでしょう。我々だけが特別ではない。連盟と大学の方針に従います。終息して再開できたら、ケガを回避できるよう体調維持に心掛けたい。

 <中大>5月6日まで活動自粛。授業再開予定は同23日ながらウェブ方式とあり、グラウンドなど学校施設使用は不透明。
 ▼清水達也監督 選手たちはかわいそうだが、仕方がない。もし再開できても投手陣を含めた故障が怖い。しっかりした準備時間を取らないと3月末から練習ができていないので難しいと思う。

 <立正大>練習自粛が続いている。寮も閉鎖しており、選手は実家へ帰省している。
 ▼坂田精二郎監督 こういう状況だから仕方がない。各自ができる範囲で、やれることをやるしかない。今までに経験のないことが次々と出てくるが、そこから学ぶことも多いだろうし、前向きに捉えていくしかないと思う。

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