広島ドラ1・森下 不動心で独自スタイル調整「不安はあまりない」

[ 2020年4月18日 05:30 ]

広島の森下
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 広島ドラフト1位の森下暢仁投手(22=明大)が17日、本拠地で50球の投球練習に汗を流した。6日ぶりのブルペンながら球数を投げないマエケン流の調整法。新型コロナ禍で開幕が見通せず、練習ですら制約がある過酷な状況でも「不安はあまりない」と言い切り、ブレずに独自のスタイルを貫く。不動心―。黄金ルーキーの値打ちだった。

 11日に約80球を投げて以来“中5日”での本拠地ブルペン。森下はカーブ、カットボールを交えながら50球を投じた。このうち7割の35球が直球。「(体が)開くことがあるので、そうならないように意識して」直球中心の練習を取り入れた。

 即戦力の世評通り、開幕ローテーション入りを確定させていた有力な先発要員。それにしては球数がいささか少ない。11日に146球を投げ込んだ大瀬良とは対照的。アマチュア時代の豊富な経験から導き出した独自のスタイルだった。

 「球数は投げないです。投げすぎると、逆に疲れて球が行かなくなる。普通に身についている感じです」

 広島OBの前田健太(ツインズ)さながらの調整法。球数だけではない。ブルペン入りの間隔ですら「あまり考えていない。投げておかないといけないと感じた時に入る」という超感覚派。その一方で、調整過程には独自のこだわりもある。

 「投球練習よりも打者が立ってから。打者が立つと違う感覚が出てくる。打者に投げた感覚が最も重要です」

 新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が見通せない苦境。3勤1休だったチームの自主練習は19日から1勤1休になる。目まぐるしく変化する情勢に「新人は不安だと思う」と心配する声はチーム内に少なくない。それでも森下は言い切る。

 「今までこんな経験したことないけど、不安はあまりない。できることをやるしかないし、なるようになる…という感覚。深刻には考えていないです」

 実に頼もしい。次回ブルペンの予定を問うと「投手と捕手の(人数)バランスがあるので、空いているところでいいかな」と泰然と答え、外出自粛の現状に「ストレスはたまります。広島に来たのに広島を感じられないので」と笑った。

 幅広い対応力。柔軟な思考。そして不動心―。感覚派の即戦力右腕がプロの世界でどう成長するのか。舞台の幕開けが待ち遠しい。(江尾 卓也)
 

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2020年4月18日のニュース