ON 金田さんに感謝 長嶋氏“プロの洗礼”で「野球人としての人生がスタート」王氏「大切な恩人」

[ 2020年1月22日 05:30 ]

祭壇の遺影に向かって拝む長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(撮影・篠原岳夫)
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 ミスターからカネやんに、感謝の献花――。国鉄(現ヤクルト)、巨人で前人未到の通算400勝を達成し、昨年10月6日に86歳で死去した金田正一氏の「お別れの会」が21日、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(83)、ソフトバンク・王貞治会長(79)ら約500人が参列。長嶋氏は弔電の形で球界の偉大な先輩を追悼した。

 長嶋氏は一歩一歩、時間をかけて祭壇まで自らの足で進んだ。両サイドを関係者に支えられながら、ゆっくりと列席者の間を歩く。その目はしっかりと金田氏の遺影を見つめていた。左手で献花をして2度、祈りをささげる。そして深々と頭を下げた。感謝――。ミスターの胸中にはその思いしかなかった。

 「あの日、金田さんからプロの洗礼を浴びたことで、私の野球人としての人生がスタートしたといっても過言ではありません。偉大な金田投手と同じ時代にプレーできたことは、心から感謝しています」

 献花の前、弔電という形で長嶋氏のメッセージが読み上げられた。今でも語り草となっている「あの日」の洗礼。1958年4月5日、国鉄との開幕戦だった。立大から鳴り物入りで巨人に入団した長嶋氏は、デビュー戦で金田氏の前に4打席連続三振。その悔しさをバネに、ミスターは国民的スターへの道を歩みだした。

 「あなたのおおらかさ、豪快さ、そして優しさは多くの仲間を勇気づけてくれました。私もそのうちの一人です。本当に、本当にありがとうございました」

 65年からはともに巨人でプレー。金田氏の大きな背中を見ながら三塁の守備に就いた。この日は金田氏の長男で俳優の賢一氏(58、写真)の姿を見つけると「おっ、賢ちゃん」と声を掛けてがっちりと握手。賢一氏によると長嶋氏は昨年10月、亡くなった直後の葬儀に出席できなかったことが心残りだったという。

 「父と長嶋さんの間には、我々には計り知れない友情のようなもの、機微があると思う。来ていただいて感謝しています」と賢一氏。長嶋氏が懸命に歩いて献花をしてくれたことに「ウチの親父は“シゲ、無理するな”と思うかも。かえって心配になって上(天国)から降りてくるんじゃないか」と話した。

 長嶋氏の前には王氏も献花をし、故人に哀悼の意をささげた。報道陣への対応はなかったが、死去の際には「金田さんは大切な恩人の一人。400勝投手は永遠ではないか、と思っている」と語っていた。ONの前に立ちはだかり、後にはともに巨人のユニホームを着た金田氏。長嶋、王の両氏は深い祈りとともに感謝の思いをささげた。 (鈴木 勝巳)

 ▽長嶋4三振デビューVTR 黄金ルーキーの長嶋が公式戦デビュー。国鉄のエース金田に対し、初回1―2からの4球目を空振り三振すると、4、7、9回に回ってきた打席も全て空振り三振を喫し、4打席4三振。金田が投げた19球のうち長嶋は10球バットを振ったが、当たったのはファウル1球だけ。9球が空振りと屈辱の初陣となった。

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