G史上初の抜てき!育成ドラ1・平間 新人でただ一人春季キャンプ1軍メンバー入り

[ 2020年1月18日 05:40 ]

ダッシュする平間
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 G史上最大の抜てきだ。巨人は17日、川崎市のジャイアンツ球場でコーチ会議を開き、育成ドラフト1位・平間隼人内野手(23=四国IL・徳島)を春季キャンプの1軍メンバーに入れる方針を固めた。新人では支配下選手を含めて唯一選ばれ、育成の新人選手が1軍スタートするのは球団史上初めて。快足を誇り、育成から昨季支配下登録され、大ブレークしたソフトバンク・周東に続く。

 原監督が「骨子」と表現したキャンプの大枠が決まった。選手の振り分けや練習メニュー、方針を確認。「こちらの要望もしっかり出した。(準備は)着々と進んでいる」と言い、球場を後にした。

 20日のスタッフ会議で正式発表されるが、1軍には育成新人の平間が名を連ねた。05年の育成制度導入以来、新人がキャンプ1軍スタートとなるのは球団史上初。しかも、支配下の新人6選手が2、3軍スタートする中で大抜てきされた。

 50メートル5秒9で、一塁到達タイムは4秒を軽々と切る。昨年は四国アイランドリーグ(IL)で43盗塁を記録し、盗塁王に輝いた23歳の内野手だ。原監督は復帰した昨オフから「走塁のスペシャリスト育成」を掲げてきた。育成出身の韋駄天(いだてん)と言えば、昨年のプレミア12で盗塁王に輝いたソフトバンク・周東を連想する。平間は走攻守三拍子そろった選手を理想に掲げるが、まずは支配下登録へ走塁は大きなアピールとなるだろう。

 鳴門渦潮を卒業後は四国IL・徳島に入団も芽が出ず、21歳で一時引退。「もう3 年や ったし…という感じで。長男だったので働いて少しでも家族に仕送りすればいい」と約10カ月間、電気工事士の職に就いた。軟式の草野球を週1回する程度だったが、目標のない日々に「自分は野球バカ。それしかできない。後悔しても遅い」と再びNPB入りを目指した苦労人だ。

 新人合同自主トレに参加し「ここにいるのがいまだに信じられない」と話すが、2月1日からさらなるチャンスが訪れる。育成では5年目の与那原、2年目の黒田、楽天から移籍した6年目の八百板も1軍スタートする見込みだ。「年齢的にもキャンプ中にアピールして支配下を最短でもらいたい。去年で野球をやめるつもりだったので腹をくくる」と平間。まずは28日から始まる宮崎合同自主トレで1軍に合流する。 (神田 佑)

【平間アラカルト】

 ★生まれ&サイズ 1996年(平8)12月16日生まれ、徳島県牟岐町出身の23歳。1メートル73、75キロ。右投げ左打ち。

 ★球歴 小2から野球を始め、鳴門渦潮では高3夏の県大会決勝で敗れ、甲子園出場なし。卒業後は、四国1L・徳島に入団し、遊撃手や二塁手として活躍。

 ★趣味 車と釣り。「GT―Rを買うのが夢」と語り、徳島時代にはグラブに「GT―R」と刺しゅうを入れていた。約50万円の中古のクラウンセダンを所有していたが入寮に合わせて母親に売却を依頼。「お母さんからL1NEで(空の)駐車場の写真が送られてきて、泣きそうになりました…」

 ★特技 阿波おどり。3歳から野球を始める小2まで阿波おどり団体に所属。

 ★座右の銘 凡事徹底。

 ★好きな芸能人 日本テレビ系「Z1P!」のお天気キャスター貴島明日香。

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