日本選手全30球団コンプ!秋山 レッズと3年約21.8億円で合意

[ 2020年1月1日 05:30 ]

秋山翔吾
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 西武から海外フリーエージェント(FA)権を行使し、大リーグ移籍を目指していた秋山翔吾外野手(31)がレッズと3年契約で合意したと30日(日本時間31日)、球団公式サイトが伝えた。総額2000万ドル(約21億8000万円)を超える見込み。30球団で唯一、日本選手がプレーしたことがないチームで「1番・中堅」として期待されるヒットメーカーが、7年ぶりのプレーオフ進出へのキーマンとなる。

 1869年に誕生した大リーグ最古の球団に、初めて日本人大リーガーが誕生する。この日、米国の各メディアが秋山とレッズの契約を伝えた。全国紙「USAトゥデー」のボブ・ナイチンゲール記者は「3年総額で2000万ドルを超えるとみられる」と報じた。

 先月上旬のウインターミーティング中、秋山はケーシー・クロース代理人とともにレッズ、ダイヤモンドバックス、カブス、レイズと面談。後にパドレスの参戦も報じられたが、レッズは最近5年間で平均・399をマークしている出塁率などを高く評価し、それを大型契約で示した。昨季チームは75勝87敗でナ・リーグ中地区4位。秋山は「1番・中堅」として、巻き返しのけん引役を担う。

 レッズは今オフ、13年以来のプレーオフ進出に向け、昨季35本塁打の二塁手ムスタカス、同14勝の先発左腕マイリーを獲得。さらに秋山との契約により現時点での年俸総額は1億3600万ドル(約148億2400万円)と、球団史上最高だった19年開幕時の1億2600万ドル(約137億3400万円)を既に超えた。スポーツサイト「ジ・アスレチック」のトレント・ローズクランス記者は「後は遊撃手。トレードでリンドア(インディアンス)、シーガー(ドジャース)を狙っている」と指摘した。

 本拠グレートアメリカン・ボールパークは本塁打の出やすい球場で知られる。左翼約100メートル、中堅約123メートル、右翼99メートルで、左中間(約116メートル)、右中間(約113メートル)には膨らみがない。ローズクランス記者は「この球場なら過去3年間のように、20本塁打以上打てるのではないか」と期待した。
 ダルビッシュが所属するカブスと同地区で、開幕2カード目には山口が移籍したブルージェイズ、4月中旬には田中を擁するヤンキースとも対戦する。球団の日本選手第1号が彩る、新たな名勝負からも目が離せない。

 ≪シンシナティ 日系企業多く≫これまで日本選手とは縁遠かったシンシナティの街。近郊に大きな日本人コミュニティーがあることは意外と知られていない。

 本拠グレートアメリカン・ボールパークはオハイオ州シンシナティにあるが、外野席のすぐ後ろを流れるオハイオ川の対岸はケンタッキー州になる。シンシナティ国際空港があるのも同州で、球場からは車で20分。その空港周辺が多くの日系企業を抱えるジャパンタウンとなっている。

 日本の自動車メーカーの米国法人関連会社が数多くあり、派遣される駐在員も多い。ジャパンマネーを取り込むのは長年の課題だった。昨季の平均観客動員数は2万2008人で30球団中19位。秋山は戦力面だけでなく、観客動員を含めた営業収入アップへの即戦力。熱意の裏側にはこんな背景もあった。

 秋山にも追い風だ。日本人経営の日本料理店も多く、その味は米国ではかなりのレベル。現役時のイチロー氏や松井秀喜氏も遠征時にはお世話になった。日本のファンにも親しみやすい街と言える。 (笹田幸嗣通信員)

 ▼シンシナティ・レッズ 1869年誕生の世界最古のプロ球団。82年にレッドストッキングスとしてアメリカン・アソシエーションに加盟し、90年からナ・リーグに編入。1919年の初優勝からワールドシリーズを5度制覇。大リーグ歴代最多となる通算4256安打を放ったピート・ローズらを輩出した。マイナーでは昨季途中から田沢がプレーしている。

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