平成の怪物が挑む2020年 40歳迎える松坂大輔 若手との争いは「蹴落としてでも ただ…」

[ 2020年1月1日 11:00 ]

松坂大輔単独インタビュー

単独インタビューに応じた松坂大輔(撮影・尾崎 有希)
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 日米通算170勝を誇り、14年ぶりに古巣へ復帰した西武・松坂大輔投手(39)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。(聞き手・倉橋 憲史)

 ――2020年。今年は14年ぶりの西武復帰。前回との違いは?
 「何もかもが違いますね。前回在籍した時にいて、今も選手でいるのは中村と栗山の2人だけ。多分、監督、コーチの方が知っている(笑い)。ユニホームの採寸をする時にも、球団の方々に久々に会えて、“戻ってきたんだな”と思えた。うれしかった」

 ――投球スタイルも大きく変わった。
 「若い時は“これくらいのボールを投げておけば大丈夫”というのはあった。ただ、入団時の監督だった東尾さん(本紙評論家)から“今のことだけを考えて投球はするな。5、10年先を考えろ。変わらなきゃいけない時期が来る”と言われていた。その答えを探しながら当時からやっていたことを出そうとしている」

 ――現在170勝。東尾さんから入団時に託された200勝ボールに対し、自身のボールをお返ししないといけない。
 「自分自身、諦めることはしたくない。最後まで200という数字を目指していく」

 ――今は球速160キロ時代。どうやって勝負をしていくか。
 「いいボールを投げることだけでは、今の僕では抑えられない。駆け引きが大事になる。若い時はスピードボールやちょっとタイミングをずらしておけば抑えられたが、今は難易度が高くなっている。ただ、そういう投球をするために試行錯誤するのは苦しい作業でも、楽しい。その喜びが実際に成績に反映されれば、なおさらいい」

 ――チーム内は若手投手陣との争いとなる。
 「プロとして、競争して周りを蹴落としてでも、そのポジションを獲得していかなければいけない。ただ、今の自分の立場を考えた時に、年を追うごとに、これからのチームのことも考えるようにはなりました」

 ――年を重ねたからこそ見えた部分は。
 「現役の間は、自分のことを精いっぱいやっていきたいと思ってきましたが、これからのチームを支えていく若い選手を見ると、こうできたらいいのにな、こうしてあげたいなという思いはありますね。聞かれることがあれば、いくらでも伝えていきたい」

 ――指導者への思いも芽生えている?
 「現時点ではないです。教えることが嫌いなわけではないですが、指導者としての自分をイメージできない。(松井)稼頭央さんの(2軍)監督とかもイメージ湧かない。監督になってどういう雰囲気を醸しながら、選手と接しているのかは楽しみではあります。それを見て感じることはあるかもしれない」

 ――昨年12月11日の会見では「(現役に)終わりが近づいている」と話していた。
 「ここから10年、20年できるわけではない。一年一年、どう生き延びていくかということを考える」

 ――燃え尽きるまで野球を続ける。
 「続ける上で、正直どこでも良かった。その舞台がNPBという場所なら一番いいが、そうでない場所、海外でも僕は続けていた。だからこそ、プレーする機会を与えてくれたライオンズに感謝しています」

 ――引き際を考えたことは?
 「若い時は“きれいな辞め方”をずっとイメージしていた。周りが納得する成績を残した上で辞めたいと考えていました。自分の右腕にメスを入れることなんて考えられなかった。だが手術も経験し、今は、いつまでたっても、どこにいっても野球を続けようと思う。一番身近なところ(家族)にも僕のわがままを聞いてもらっている。野球が好きで好きでたまらない。その思いを表現する上で、たくさんの人に迷惑をかけていますが、感謝の気持ちを持ちながらプレーしていきたい」

 ――西武での最後の試合は覚えているか。
 「プレーオフ(第1ステージ)の第1戦、ソフトバンク戦で斉藤和巳さんとの投げ合いです。西武の試合の中で、どの試合がベストか?と聞かれれば必ず挙がってくる試合(※注)。試合は勝つことができましたが、チームはこのステージで負けてしまった」

 ――日本一への思いは強い。西武はリーグ連覇中ですが、日本一に飢えている。
 「僕が前回ライオンズにいた8年間で日本一は(04年の)1度だけ。毎年悔しい思いして終わることが多かった。ソフトバンクという強いチームがある中で、連覇は本当に凄いことですが、日本シリーズにいけなければ納得いかないシーズンになってしまう」

 ――そのソフトバンクは3年間在籍。同世代の和田投手もいる。
 「(和田)毅とも連絡はとりました。投げ合いができたらいい。先発で投げ合って相性はいいと思います(8試合で5勝2敗)」

 ――阪神には藤川投手もいる。松坂世代と言われる同期の存在。
 「(現役の)人数が絞られてきて、同世代の仲間意識、競争意識は強くなっています。それが続ける上での原動力になっている。さらに、引退して違う道で頑張る仲間の近況を聞くと“まだまだ頑張りたい、まだやれる”と思わせてくれる」

 ――期待する西武のファンも待ってくれている。今年への思い。
 「僕がいる頃からメットライフドームも大きく変わった。数多く投げて、数多くチームに勝利を呼び込めるように。自分のできることを必死にやります」

 ※注 松坂の前回西武在籍時の最終登板 06年10月7日のプレーオフ第1ステージ、ソフトバンク戦(インボイス西武)で先発し、9回6安打13奪三振で1―0の完封勝利。8回4安打1失点の斉藤和巳との球史に残る投手戦を制し「自分が失点することはあっても、向こうは失点しないと思った。だから、とにかく粘りました」と話した。しかし、西武は第2、第3戦を落とし敗退。ポスティングシステムでレッドソックスに移籍した。

 【松坂大輔に5つの質問】

 ――10年後の自分を想像してください。
 「どこかで投げていたいですけどね。投げられる体の状態でありたい。野球の楽しみ方は変わっているかもしれないですけど」

 ――タイムマシンがあったら対戦したい打者は?
 「王さん、長嶋さん、落合さんの3人。(落合さんは)子供ながらに特殊というか、抜きんでていると感じていた。王さん、長嶋さんは、対戦したらどう投げるんだろうと若い頃は想像していた」

 ――あなたの弱点。
 「今も昔も、ホラー映画が大っ嫌い。ゾンビもお化けも駄目。昔は寝るときも明かりは消せなかった。今は消したら絶対に目を開けない。僕は金縛りに結構あうので。前回ライオンズにいた時は、地方遠征に行った時にホテルの部屋を替えてもらったこともある」

 ――最近のマイブームは?
 「自宅ではネットテレビなどで、サバイバル系の番組をよく見ている。無人島などに体一つで行って生活する姿を見る。いろいろ作れるものだなと」

 ――無人島に持っていくものは?
 「何も持っていかなくても、意外と作れるんだなというのが番組などを見て分かった。ろ過して飲み水も作れるでしょうが、それまでの水分補給という意味で、水ですかね」

 ◆松坂 大輔(まつざか・だいすけ)1980年(昭55)9月13日生まれ、東京都出身の39歳。横浜では3年時に史上5校目の甲子園春夏連覇。98年ドラフト1位で西武入団。1年目に16勝で最多勝、新人王などに輝いた。07年にレッドソックスに移籍し、同年にワールドシリーズ制覇。インディアンス、メッツを経て、15年にソフトバンクで日本球界に復帰。18年から中日、今年から西武に復帰した。侍ジャパンが世界一となった06、09年のWBCでは2大会連続MVP。1メートル83、93キロ。右投げ右打ち。

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