広島・長野が残留表明「チームが勝てなかったのが悔しい」 菊池も国内FA行使せず

[ 2019年11月2日 05:30 ]

マツダスタジアムを訪れ、FA権を行使しないことを明言した長野(撮影・友成 貴博)
Photo By スポニチ

 広島は1日、長野久義外野手(34)が海外フリーエージェント(FA)権を、菊池涼介内野手(29)は今季取得した国内FA権を、それぞれ行使しないと発表した。長野は残留が決定。菊池涼は昨オフにポスティングシステムによるメジャー挑戦希望を表明しており、球団側との話し合いを継続しながら結論を下す意向だ。 

 FA申請締め切り日の1日、水面下で続けられていた主力2選手への残留交渉に一定の成果が見られた。野球の国際大会「プレミア12」に出場する菊池涼は、侍ジャパンの強化試合・カナダ戦(沖縄セルラー)の前に去就について口を開いた。

 「FA宣言はしません。球団や鈴木(清明球団本部長)さんとはいい話し合いができている。今は広島にいないけど、引き続き連絡を取り合います」

 これにより、7年連続ゴールデングラブ賞に輝く名手の国内移籍は無くなった。一方では、昨年12月にポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦希望を表明しており、今後はその諾否が焦点になる。鈴木球団本部長は「ポスティングについては、これから段階を踏んで話し合っていく」と説明した。

 長野は午前中に球団事務所を訪問。交渉を終え「紙(申請書)は出しません。条件は聞いたし、細かい話はこれから」と語った。あえて残留の2文字を使わず「まとまらなかったら自由契約でしょ」と冗談めかしながら、「来季も広島で?」の問いかけには「もちろん」とうなずいた。

 巨人にFA移籍した丸の人的補償で加入した1年目。出場72試合で打率・250、5本塁打、20打点に終わり「チームが勝てなかったことが悔しいし、個人的にもふがいないシーズンだった」と振り返る。交渉の合間に自主トレをこなし、巻き返しを誓う長野に、佐々岡監督は「残留はチームにとって大きい。まだまだ引っ張ってほしい」と期待した。

 「侍ジャパンに集中したい」という菊池涼を含め、会沢、野村、長野と宣言者ゼロで決着した今オフのFA交渉。鈴木球団本部長は「来季に向けて大事な戦力が残ってくれた。ありがたい。ファンの皆さんの心が通じたと思う」と語った。あとは大団円を目指し、名手を慰留するのみだ。 (江尾 卓也)

続きを表示

2019年11月2日のニュース