阪神・谷川“落選”を糧に…勝負の秋

[ 2019年10月29日 13:56 ]

阪神・谷川(撮影・椎名 航)
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 “落選”はやはりショックだったようだ。27日に発表された阪神の秋季キャンプメンバーに2年目・谷川の名前は無かった。「もちろん選ばれたかったので…悔しいですね」。来季を見据え、チームの底上げの意味合いが強い秋のキャンプに参加できないのは、アピールの面でも本人にとっては痛いだろう。

 今回は元中日の山本昌氏を臨時投手コーチに招くため、例年より多く左投手を招集したことや、リハビリ組の才木、小野らもメンバーに名を連ねたことも多少は影響していると予想する。まだ2年目とはいえ、社会人出身の27歳ということもあり、焦りも当然あるだろう。今季も1年目の7試合を下回るわずか4試合登板のみに終わった。来季に懸ける思いが強い分、落胆も大きかった。「父親からも(メンバー外だから)怪我したのか?と連絡が来ましたよ」という言葉にも、どこか悔しさがにじんだ。

 ただ、九州三菱自動車時代に営業マンとして靴底を擦り減らし、幾多の経験を積んできた男。辛い現状を受け止めて前を向くのも早い。「ここで気持ち切らしたら絶対にダメなんで。こっち(2軍の鳴尾浜)でしっかりやっていきますよ」。そう自分に言い聞かせるように、誰もいない鳴尾浜球場のウエートルームに入っていった。

 昨年、シーズン終盤に左肩を故障した北條がこんなことを言っていた。「(リハビリしてる)この期間でキャンプに行った他の選手がうまくなるんやろな…とか考えてしまいますよね」。だからこそ、1年後のCSファーストステージ初戦で逆転の適時三塁打を放ち、塁上で見せた背番号2のガッツポーズは余計に輝いた。暗転をその何倍もの幸福に変えられる世界でもある。

 高知でレジェンドとの出会いを飛躍のきっかけにする者がいれば、それを発奮材料に鳴尾浜で静かに、黙々と牙を研ぐ者もいる。遠いようで近い春へ向けた戦いは始まっている。(遠藤 礼)

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