中畑氏、ソフトB勝因はDH制ではなく熱い育成への取り組み

[ 2019年10月29日 08:30 ]

4連勝で日本一を決め、歓喜のソフトバンクナイン(撮影・北條 貴史)
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 【キヨシスタイル】ソフトバンクが4勝0敗で巨人を一蹴して3年連続日本一に輝いた今年の日本シリーズ。パ・リーグ7連勝で「セ・リーグもDH制を」なんて声も上がってるけど、そこじゃないと思う。

 パがDH制を導入したのは1975年。日本シリーズでパの本拠地球場だけDH制が採用されるようになったのは85年から。バース、掛布、岡田の阪神が西武を倒して日本一になった年だ。

 翌86年はDHなしでやって、現在の方式で固定されたのは87年から。85年と87年以降のシリーズの勝敗を見るとパの21勝13敗なんだけど、2004年まではセの10勝9敗と互角だった。05年以降パの12勝3敗と大きな差がついてるんだ。注目すべきは、半分の6勝をソフトバンクが挙げているってことだ。

 05年といえば、セ・パ交流戦が始まった年なんだけど、球界にもうひとつ大きな変革があった。育成選手制度が導入されたんだ。70人の支配下登録選手枠以外に最低年俸240万円で育成選手を獲って育てる。この制度を一番活用してきたのがソフトバンクなんだ。

 今年のシリーズを見ても、第1戦先発バッテリーの千賀―甲斐をはじめモイネロ、石川、牧原、足で巨人バッテリーをかく乱した周東。本当に育成出身?というような選手が6人もいた。

 ソフトバンクは11年に3軍制を導入。四国アイランドリーグplusや韓国プロ野球、地元の社会人、大学と年間70~80試合の交流戦を行っている。恵まれすぎた今の時代には珍しくなったハングリー精神。実戦を積み重ねる中ではい上がってきたタフな選手たちが、突出した選手層の厚さを生み出しているんだ。

 豊富な資金力でFA選手や他球団で活躍した外国人選手も獲るけど、環境を整えてしっかり自前の選手を育てる。これがプロ野球の原点。そして質量ともに豊富な戦力を築いたソフトバンクを中心に、その牙城を崩そうと努力する他の5球団。この構図がパのレベルを上げているんだ。

 無尽蔵な熱量を持って選手を育て、球界をリードするソフトバンク。王貞治球団会長の存在は大きいなあ。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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