【市川いずみの届け夏エール】尾崎監督と二人三脚 宇部鴻城の「おかみさん」

[ 2019年8月17日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第10日3回戦   宇部鴻城2―3明石商 ( 2019年8月16日    甲子園 )

母の日に選手からカーネーションを贈られた宇部鴻城・尾崎監督夫人の奈津子さん(右下)
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 三塁側の宇部鴻城ベンチのすぐ上には選手を温かく見守る女性の姿がありました。尾崎監督の妻・奈津子さん。寮母を務め選手から「おかみさん」と親しまれています。今は“15人の子供たち”と生活。これまで100人を送り出しました。

 日中は同校で教壇にも立ち毎日の睡眠は4時間ほどですが「高校野球が好きで好きでたまらないから」と大変と感じたことは一度もありません。それは約25年前の約束があるから。監督とは大学の同級生で「結婚したら寮を持って甲子園に行こう」と誓ったとのこと。自分の子供のように接し「顔を見たら何を食べたいかわかる」と少しの変化も見逃さず、今大会中も練習で覇気がないと「こんな野球を甲子園でみせるんか?」と独特の言い回しで励ましました。

 この日は明石商に惜敗。「あの子ら引退するんかぁ」と涙がこぼれましたが、1カ月で約250キログラムの米を炊く“パワフルおかみ”はすぐに「またスタート。おでん作るわ」と切り替えました。私もいただいたことがある、おかみさんのおでんは絶品! 楽しい奮闘がまた始まります。

 ◆市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。高校野球検定に合格し、自宅に甲子園の土を飾るほど生粋の高校野球好き。

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2019年8月17日のニュース