【岩手】大船渡・佐々木 2安打完封で王手!29イニング毎回51K 決勝VS花巻東も連投で「甲子園へ」

[ 2019年7月25日 05:30 ]

第101回全国高校野球大会 岩手大会準決勝   大船渡5-0一関工 ( 2019年7月24日    岩手県営 )

9回15奪三振の完封の力投を見せた大船渡・佐々木(撮影・木村 揚輔)
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 「令和の怪物」が夢に王手をかけた。163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)擁する大船渡は24日、岩手大会準決勝で一関工と対戦。中2日での先発となった佐々木は最速157キロで毎回の15三振を奪い、2安打完封した。21日の4回戦で194球を投げたため欠場した翌22日の準々決勝をチームは全員野球で勝利。仲間がくれた休養に応えた。大船渡は25日午後1時からの決勝で2年連続の甲子園を狙う花巻東と対戦する。

 心を熱く、体から力を抜いた。力感なく投げた129球。出力は抑えても、そこには信じる仲間たちへの「感謝の思い」がたっぷりと詰まっていた。

 「前の試合で休養をもらえて、だいぶ回復した。完全ではないけど、いい状態で投げられた。(体の状態は)8割以上だった」

 仲間がくれた時間を無駄にはしない。初回2死二塁から4番・小畑をこの日最速タイの157キロで見逃し三振に仕留めると「力まずに投げることを意識した」。出力は上げずに、フォークを有効利用。6回2死からの5連続三振を含む毎回の15三振を奪い、2安打で完封した。これで今大会29イニングを投げ、毎回の51奪三振だ。

 21日の4回戦で194球を投げ、佐々木が欠場した翌22日の準々決勝をチームは延長11回の末に勝利。「一緒に甲子園へ行こう」と自ら声を掛け、大船渡へ入学した仲間たちがくれた“中2日”の休養だ。前日もストレッチやマッサージなど体を入念にケア。25日の決勝で連投も見据えた調整できっちり完封してみせた。

 「スピードガン(で球速)は出るけど、それより力が抜けて投げられていた」。国保陽平監督はそう言った。5日間で4試合の可能性のある夏の大会。入学以来、それに備えた練習もしてきた。出力を抑えた上で、いいフォームでバランス良く投げる。163キロに頼らない投球だ。そんな投球の下地は小学生の時にできた。

 11年に起きた東日本大震災の後、練習場を失った佐々木は近所の広場で母・陽子さんを相手に練習。ビデオカメラを持って打席に立つ陽子さんに向かって投げる。「絶対当てないで!」。こわごわと撮った映像で打者目線からの投球とフォームを確認した。「朗希は肘の位置を気にしてました」。バランスのいいフォームは母子の練習でつくり上げられた。

 決勝の相手は、中学時代に誘われた花巻東。「(意識は)特にない」。そう言った佐々木は続けた。「次に勝たないと1回戦敗退と一緒。勝ちにつながる投球をして(仲間と)一緒に甲子園へ行きたい」。みんなと誓った夢の舞台へ。「令和の怪物」は連投のマウンドに立つ。(秋村 誠人)

 ≪奪三振率15・83≫夏の甲子園の大会奪三振数3傑は58年板東英二(徳島商)83、06年斎藤佑樹(早実)78、12年松井裕樹(桐光学園)68となっている。奪三振率は板東が11・86で、斎藤が10・17。松井は準々決勝で敗退したが4試合36イニングで68奪三振。奪三振率は17・00とズバぬけている。地方大会と甲子園の違いはあるが、佐々木の15・83はかなり高い数字といえる。

 ≪84年旋風OBもエール≫「大船渡旋風」を起こし、春夏連続の甲子園出場を果たした84年のメンバーも会場で声援を送った。当時右翼手だった今野一夫さんが「(佐々木は)素晴らしい投球をしてくれた。仲間で支え合う姿が見られてうれしい」と言えば、コーチだった千葉博光さんも「当時と変わらない、選手が自主的に考える野球が見られた」と笑顔。他にも中堅手だった新沼剛さん、現左翼手・木下の父でもある清吾さんらもエールを送っていた。

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