【埼玉】春日部 雨中の逆転初戦突破 OB青島氏の激励応えた「利根川の子」

[ 2019年7月13日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 埼玉大会2回戦   春日部5―3大宮 ( 2019年7月12日    市営大宮 )

<春日部・大宮>7回、佐藤がレフト線に同点適時二塁打を放つ(撮影・篠原岳夫)
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 第101回全国高校野球選手権(8月6日から16日間、甲子園)は12日、栃木などが開幕し、26大会で195試合が行われた。埼玉大会では、創立121年目の春日部が5―3の逆転勝ちで大宮との伝統校対決を制し、初戦を突破した。神奈川大会では桐蔭学園の1番・木本圭一内野手(1年)が初回に先頭打者本塁打。公式戦デビューで離れ業をやってのけた。13日は北北海道、宮城など46大会378試合が行われる。

 2―3の7回。降りしきる雨の中で一塁側スタンドから朗々と歌われた校歌が、春日部の反撃の合図だ。

 3長短打で追いつき、なお1死二、三塁。代打・浅川が「“ひと振りで決めてこい”と言われた。いい感じで捉えられた」と、内角高めの直球に詰まりながら中犠飛を放った。添野光太監督は「彼の打撃がチームを救うと考えていた。(起用に)迷いはなかった」と振り返った。

 この日は朝から雨。試合前、同校出身の元ヤクルトで、8月25日投開票の埼玉県知事選に立候補するスポーツライター・青島健太氏(61)が球場を訪れ、OBを通じて選手たちに激励の言葉を贈った。「我々は利根川の子。雨には強いから大丈夫だ!」。校歌の歌詞に盛り込まれている利根川にちなんだメッセージ。後輩たちは1イニング3得点で応えた。5点目の適時二塁打を放った足立主将は「校歌が流れるとテンションが上がり、愛校心が燃える」と声を弾ませた。

 創立1899年で今年が121年目。同1927年で93年目の大宮との伝統校対決だった。ただ、春日部は甲子園出場がないのに対し、大宮は春夏合計7回出場。自身も春日部出身の添野監督は「うちは120年間、挑戦者。欲を出すな」と中盤に強振して凡打が目立ったのを戒め、7回の集中打につなげた。

 青島氏らOBの存在に指揮官は「いろんな先輩や、地域の人々の思いを背負っていることに幸せを感じる」と感謝した。試合後、勝利を祝福する校歌とともに、雨のシャワーも心地よくナインに降り注いだ。(大林 幹雄)

 《試合開始遅れ観戦かなわず》青島氏は、県知事選への準備の合間を縫って母校を激励。スタンドにも足を運んだが雨で試合開始が遅れ、観戦はかなわなかったが「(高校野球は)自分の原点。初心に戻り、後輩たちの姿を見て勇気をもらいたかった」と話した。春日部が最も甲子園に近づいたのは青島氏が強打の三塁手として主軸を務め、秋季県大会を制した75年で、翌76年センバツの補欠校となった。

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