首位独走を加速させた巨人・原監督の勝負手連発

[ 2019年7月11日 11:10 ]

<神・巨(13)>ナインとハイタッチをかわす原監督(左)=撮影・大森寛明
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 首位の巨人が2位に9・5ゲームの大差をつけ、前半戦を終えた。交流戦後は10勝1敗。独走を加速させたのは、原辰徳監督が繰り出した勝負手の連発が大きい。勝負手とは試合終盤の盗塁。成功するのは、失敗を恐れていないからだ。象徴した2試合を振り返る。

 (1)7月3日・中日戦(東京ドーム)

 6―6の9回に先頭・若林が出塁し、すかさず二盗に成功。サヨナラのホームを踏んだ。「今日は一発、横っ面をひっぱたかれないと点数が入らないような、なかなか先行できなかった」。原監督らしい独特な表現。リードできない均衡した試合展開で、「刺激」を与えたわけだ。交流戦後4連勝。その連勝は7まで伸びた。

 (2)7月8日・阪神戦(甲子園)

 3―3で迎えた8回に1死から岡本が中前打で出塁すると、原監督は俊足の増田大を代走で起用。4番を代えてまで1点を取りにいったことを、原監督は「勝負」と言った。増田大はけん制悪送球で二塁に進み、さらに三盗を決めて陽岱鋼の左前打で決勝のホームを踏んだ。7連勝後に1敗を挟み、2位・阪神との前半戦最後の3連戦。初戦を取って、3連勝につなげた。

 同点、もしくは1点差で負けている場面。終盤で盗塁を仕掛け、得点圏に走者を進めるのは、「原野球」の原点でもある。東海大相模時代の1年夏の甲子園、土浦日大との初戦。1点を追う9回2死一塁で、父・貢監督は盗塁のサインを出し成功して同点に結びつけ、延長16回にサヨナラ勝ちを収めた。

 貢氏が生前、息子に何度も伝えた言葉は「人生はチャレンジ。ぼろは着てても心は錦。正々堂々勝負して人生を進んでいこうじゃないか」。試合で言えば、どんなに苦しい状況でも攻めて、突破口を開くということだ。

 計12年間で7度リーグ優勝した第1次、2次政権でも繰り出してきた勝負手。今季、4年ぶりに復帰した原監督は、その準備もぬかりなかった。愛弟子の鈴木尚広氏を外野守備走塁コーチとして現場復帰させた。鈴木氏は代走で131盗塁のプロ野球記録を持つ走塁のスペシャリスト。一塁コーチとして相手投手の癖を常に分析しており、原監督はある程度の「確証」の中で走らせている。昨季はリーグワーストタイの61盗塁だったが、今季はリーグ3位の49盗塁。機動力も生かして勝利につなげている。

 勝負手の盗塁だけではない。実績にとらわれない実力至上主義の選手起用、主軸でも送りバントのサインを出す勝利優先の采配ぶりも目立つ。4年ぶりの監督復帰で「勝負師」として磨きがかかり、あと5勝で史上13人目の通算1000勝に到達する。(記者コラム・飯塚 荒太)

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