都市対抗野球13日開幕 東芝・岡野「日本一」そしてプロへの道を切り開く

[ 2019年7月11日 09:00 ]

名門・東芝を支える岡野(左)宮川の二本柱
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 【伊藤幸男の一期一会】社会人野球の最高峰、第90回都市対抗野球大会が13日、東京ドームで開幕する。出場36チーム中最多となる8度目の優勝を目指すのが東芝だ。エース岡野祐一郎投手(25)も「目標は日本一。今年は勝ちたい」と満を持して臨む。

 強気な発言が飛び出す裏には味方打線の好調さと、自身の充実ぶりにある。「チームは今年最初のスポニチ大会で準V、四国大会で優勝と結果を残してきた。点を取ってくれる打線は心強いから、先発2人で勝ててきた」。

 金子聖史(27)松本幸一郎(29)両内野手で組むクリーンアップは好機を確実にモノにしてきた。マウンドには岡野と、成長著しい2年目右腕・宮川哲投手(24)が最少失点にとどめる。他チームを圧倒する二本柱が健在だからこそ、平馬淳監督(44)も「今年はチャンスがあると思う」と話した。

 岡野にとって3度目の東京ドーム。青学大卒業後、順調にキャリアを重ねてきたが、昨秋の日本選手権敗退後、フォーム改造に踏み切った。「真っ直ぐの強さが足りない。何か変えないと。停滞してしまう」。一度上げた左足をためて右足1本で立つ時間を長くする。投げ急がないことで安定度と球速が増したという。「真っ直ぐが良くないと変化球も生きない」。MAX149キロを計測するまでスピードは上がった。

 初戦は16日、日本通運―JR東海の勝者と対戦。17年都市対抗準Vチームに、昨大会8強とどちらも強敵に変わりはない。「初戦が大事。初戦に勝って勢いに乗れれば…」。入社初年度はベスト4まで進出したが、当時より完成度は上回っていると言う。ライバルをなぎ倒せば、目標だったプロ入りも自然と見えてくる。昨秋ドラフトは最後まで声がかからなかった。「チームに恩返しが出来て、自分の希望もかなえば最高なんですけど…」。岡野は自らの右腕で道を切り開く。

 ◇岡野 祐一郎(おかの・ゆういちろう)1994年(平6)4月16日生まれ、宮城県出身の25歳。石巻市大街道小3年から野球を始め、同門脇中3年夏に東北大会8強。聖光学院では3年春夏の甲子園に出場。U―18高校日本代表に選出され、花巻東・大谷(エンゼルス)らとプレー。青学大では2年春からエースに。東芝入社初年度の都市対抗では優秀選手賞。1メートル80、85キロ、右投げ右打ち。

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2019年7月11日のニュース