ヤクルト16連敗で脱出!樹理で21日ぶり勝利  小川監督「ホッとした」

[ 2019年6月3日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―2DeNA ( 2019年6月2日    横浜 )

連敗を16で止め、笑顔で勝利のハイタッチを行う村上(左)らヤクルトナイン(撮影・木村 揚輔)
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 21日ぶりの白星をつかんだ。ヤクルトが2日、DeNAを5―2で下し、連敗を16で止めた。プロ初の中4日で先発した原樹理投手(25)が6回2/3を1失点で3勝目。自身の黒星から始まり、連敗中に3敗を喫していた4年目右腕が連敗をセ・リーグワーストタイ記録で食い止めた。ついに泥沼から抜け出し、4日から始まる昨季勝率1位に輝いたパ・リーグとの交流戦で巻き返す。

 ベンチの最前列で祈るように戦況を見つめた。9回2死二塁。梅野が柴田を遊ゴロに打ち取ると、原は笑顔でナインを出迎えた。梅野からウイニングボールを受け取ると、大事そうに握りしめた。

 「内容もありますけど、勝てたことが一番良かった」。右手の指を気にするしぐさを見せて7回途中で降板したが、6回2/3を最少失点に抑えた。17試合、21日ぶりの勝利をもたらし、ヤクルトファンが陣取った敵地の左翼席には応援名物の傘が歓喜に揺れ、小川監督は「勝ててホッとしたというのが正直なところ」と安どした。

 5月14日の広島戦で5回途中6失点KO。これが長いトンネルの始まりだった。連敗中に3敗を喫していた4年目右腕は「とにかく連敗を止めたかった」と燃え、プロ初の中4日でも序盤から飛ばした。4回2死一塁。2回に一発を浴びたロペスに対して4球目に自己最速タイの151キロを投げ込む。最後はスライダーで空振り三振。普段はクールな男からガッツポーズが飛び出した。「自分の投球ができれば気持ちもついてくるのかな」。自ら始まった負の連鎖を自ら断ち切った。

 チームも原の復調を願った。今季、中村、井野とバッテリーを組んできたが、5月31日に昇格したばかりのプロ3年目の古賀と初めて組ませた。「何かのきっかけになってくれればと思って」と小川監督。古賀は原の直球が走っていることを見極め、武器のシュートよりもその直球を軸にリードした。原も「一生懸命、引っ張ってくれた」と感謝した。

 「やまない雨はない」。そう言い続けてナインを鼓舞したチームリーダーの青木は「これだけの連敗はなかったので、いい勉強になった」と言った。連敗中に最下位に沈み、借金も10。それでも原は「一つ勝てば流れも変わる。順位を一つ一つ上げていきたい」と誓った。あす4日の日本ハム戦から昨季勝率1位に輝いた交流戦が始まる。好転させることはまだまだ可能だ。 (黒野 有仁)

○…3試合続けて敵地で観戦した衣笠剛球団社長は「よく勝った。その一言に尽きる。長かったけど、勝てて良かった」と満面の笑みを浮かべた。小川監督には試合後に「ナイスゲーム」と声をかけ「借金をこれから返していかないと。より一層頑張ってほしい」とエールを送った。

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2019年6月3日のニュース