史上初?本盗に決勝アーチを放った早大・瀧沢

[ 2019年6月1日 16:50 ]

東京六大学野球春季リーグ戦最終週第1日   早大3―2慶大 ( 2019年6月1日    神宮 )

 早大の瀧沢虎太朗(3年=山梨学院)が足とバットで小宮山悟新監督に早慶戦初勝利をプレゼントした。

 3回まで完全に抑えられていた早大は4回、瀧沢が左前に初ヒット。その後1死二、三塁となり三塁走者の瀧沢が慶大のマウンドに立つ高橋佑樹(4年=川越東)の“クセ”をじっと見つめていた。試合前、瀧沢は小宮山監督に「三塁走者になったらホームスチールしたいんです」と伝えていた。実は昨秋から高橋佑のマウンドの仕草を観察し「ロージンを触ったり2、3秒後ろを向いて走者から目を離している」と分かっていた。

 打者・加藤雅樹(4年=早実)のカウント2―2になったとき、捕手からの返球を受け高橋佑が後ろを向いた瞬間、瀧沢は本塁に向かってスタートを切っていた。2万9000観衆が「ワアー!」という歓声を挙げ慶大バッテリーが気がついたとき、瀧沢はすでに本塁にヘッドスライディングで生還していた。早慶戦では08年春に上本博紀(現阪神)が敢行して以来の本盗。ベンチの小宮山監督が身を乗り出して殊勲の1点を手を叩いて喜んだ。

 同点の8回には中堅左へ決勝の本塁打。「早慶戦でホームスチールと本塁打なんて初めてじゃないか。本当によくやった」と指揮官同士がプロ経験者という戦いに先勝して瀧沢を称えた。
 投手陣も早川隆久(3年=木更津総合)を救援した2メートル左腕・今西拓弥(同=広陵)がパーフェクトリリーフ。最後の1人は徳山壮磨(2年=大阪桐蔭)が抑える“石橋継投”で先勝した。
 「この1勝がぬか喜びにならぬよう、あすも気を引き締めて戦いたい」

 小宮山監督は表情を引き締めて明日を見据えていた。

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2019年6月1日のニュース