育成に定評ある日本ハム ドラ1・輝星が取り組む独特な練習方法とは

[ 2019年5月25日 08:30 ]

投球練習を行う日本ハム・吉田輝
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 先月から日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手が、取り組む独特な練習がある。加藤武治2軍投手コーチが考案したという「2段階ブルペン」だ。

 吉田輝はウイルス性胃腸炎の影響で、5月17日に行われたイースタン・リーグのDeNA戦の登板を回避したが、それまでは4月29日のDeNA戦で4回無失点、5月8日のロッテ戦で4回0/3を無失点と絶好調。好調の理由には、この練習が関わっていた。

 「2段階ブルペン」は、その名の通り、2通りの方法でブルペン投球を行う。吉田輝いわく一つは「ショート」で、もう一つが「ロング」。

 まず「ショート」は、捕手をホームベース上に座らせて投球練習を行う。このとき、マウンドから捕手まで大体18メートルの距離になり、「体全体を使って、内角と外角のラインにしっかり球の軌道をつくる」ということを意識する。

 そして「ロング」は、ホームベースより捕手を3メートルほど後ろに座らせて投球。マウンドから捕手までの距離はおよそ21メートルになり、「球の伸びを意識して低目を狙い、直球で捕手のミットを貫き通す」というイメージを持つそうだ。

 これを「ショート」、「ロング」、「ショート」の順で行うことで、直球のコースへの精度と伸びの向上につながるという。さらに加藤2軍投手コーチによれば、他にも「ぽんぽん投げさせてリズムを整える」、「練習の意図を考えさせる」という狙いもあるという。こうした工夫が、吉田輝にとって最大の武器である直球のレベルアップにつながった。

 ただこの練習、現在鎌ケ谷を拠点に練習を行う、日本ハムの投手全員が行っているというわけではない。こうした選手ごとに最適な方法を考えて行わせる姿勢こそ、同球団が育成に長けていると言われる理由の1つかもしれない。(記者コラム・武田勇美)

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2019年5月25日のニュース