平成ラストのドラ1輝星 新春の誓いは昭和式“先発完投”エース

[ 2019年1月1日 05:30 ]

近い目標と遠くの夢に向かい…輝く投球でプロ野球に挑む吉田輝
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 平成最後の怪物、日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(17=金足農)が、プロの門を叩く。準優勝した昨夏の甲子園では大阪桐蔭との決勝を除く5試合で完投。秋田大会も含めて10試合連続で完投した。背番号18を背負う将来のエース候補はプロでも先発完投型の投手にこだわり、沢村賞を目標に掲げる。「日本一の投手」を目指す金の卵が、新春の誓いを立てた。

 マウンドは誰にも譲りたくない。先発完投。投手としての本能であり、吉田輝のポリシーだ。雪国・秋田で培った強じんな下半身を持つ右腕には、一人で投げ抜く覚悟がある。

 「体力をつけていけば(プロでも完投が)できると思う。こだわっていきたい。スタミナは負けたくない。完封はやっぱり格好いいですから」。金足農のエースとして秋田勢103年ぶりの準優勝に導いた昨夏の甲子園。秋田大会から準決勝まで10試合連続完投を果たし、大阪桐蔭との決勝で途中降板するまで通算1517球を投じた。肩や肘の負担を考慮し、高校野球も投手分業制の時代になったが、吉田輝の投げっぷりが全国に感動を与えたことも事実だ。

 最大の武器は最速152キロの直球。「3段階ある」と場面で緩急をつけ、勝負どころで全力投球。しかし、プロでは同じようにはいかない。「(ギアを変える投球が)できたらいいけど、できないと思う」と、“プロ仕様”の投球スタイルを目指す。

 「直球に近い変化球も投げられるようになれば、芯を外して打ち取れたりとか、緩急を微妙につけていければ」。打者の手元で動かす速球。ツーシームとカットボールの完全習得である。その上で「直球にはこだわっていきたい」と言う。浮き上がるような直球。かつての怪物・江川卓をほうふつさせ、栗山監督も「動く球が全盛の時代の中で、魅力ある直球を投げられるベースがあるのは(プロでも)活躍できる要因」と太鼓判を押す。

 完投数が選考基準となる沢村賞。吉田輝は「日本一の投手になることが目標なので沢村賞はそういう賞なのかなと思う」と見据える。20勝も目標に掲げ「最低でも10勝以上を毎年できるような投手になれば優勝に貢献できる」。先発完投へのこだわり。往年の名投手のように、17歳にもエースの美学が備わっている。(武田 勇美)

 ≪獲るぞ日本ハム2人目沢村賞≫日本ハムの投手で沢村賞を獲得したのは07年のダルビッシュしかいない。ダルビッシュはリーグ最多の12完投もマークし、メジャーに移籍するまで5年連続でチーム最多完投を記録した。また、最近のリーグ最多完投&沢村賞は菅野(巨)が17、18年(完投数は6と10)に2年連続で獲得している。

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2019年1月1日のニュース