日本航空石川・中村監督「ああ、こうやって負けていくのかあ」から大劇勝!

[ 2018年3月30日 12:32 ]

第90回選抜高校野球大会第8日   日本航空石川3―1明徳義塾 ( 2018年3月30日    甲子園 )

<日本航空石川・明徳義塾>9回無死一、二塁、日本航空石川・原田は左越えにサヨナラ3ランを放ち、ガッツポーズ
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 「ああ、こうやって負けていくのかあ」

 明徳義塾・市川悠太投手に抑えられ、守りでも先発の左腕・杉本壮志が手足がしびれて8回途中で交代。2番手大橋修斗の暴投で1失点。このまま0―1で試合が終わるのかと日本航空石川の中村隆監督は冒頭の心境になったという。

 同監督は馬淵監督を尊敬し、甲子園で対戦できることを楽しみにしていた。「きょうは5点勝負」と試合に臨んだが、意に反して投手戦となった。明徳義塾の守備は堅く、1点が重い展開。8回も三者凡退。9回の1死満塁のピンチを併殺でしのいだのが大きかった。

 サヨナラ3ランで勝ってきた明徳相手に、先頭の井川準吾が初球を右前に放ち塁に出る。続く的場拓真には「バントはないぞ」と送り出し四球。3番原田竜聖に「バントするか?」と声をかけると「打ちます!」と即決。初球、スライダーが左翼席に消え、明徳をサヨナラ3ランでうっちゃった。

 「私が迷っていたのを選手が強い気持ちで戦ってくれた。この1勝は野球部の歴史の中で大きな1勝となりました」

 大きな体を震わせて感激した中村監督。サヨナラの瞬間は「ふわふわしちゃって、スローモーションのようでした」と振り返った。

 9回の井川、原田とも初球を迷わず叩いた。「ウチは打ち勝ってきたチーム。そのままの打撃をしてくれた」とお立ち台で喜んだあと「次はまた強敵の東海大相模さん。データ集めないと」と準々決勝に切り替えていた。

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2018年3月30日のニュース