その可否は…先発6人制、そしてレイズが進める先発4人制

[ 2018年3月30日 10:45 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 大リーグの18年シーズンが29日(日本時間30日)、各地で開幕した。二刀流の大谷が加入したエンゼルスやレンジャーズが先発6人制の導入方針を打ち出しており、その可否も注目されている。

 一方、全く異なる角度からローテーションの改革を進めているのがレイズ。先発4人制を開幕から6週間をめどに試すという。先発5人制と同様の中4日の登板間隔をキープして5枠目は「ブルペン・デー」。救援投手でやりくりする。

 導入に至った主な理由は3つ。

 (1)完投型投手の減少 75年には年間200回以上投げる投手が1チーム平均で約2・4人いたが、昨季は0・5人に。ブルペンの稼働率が上がり、救援投手が投げる割合は、75年の約27%から昨季は約38%に増えている。

 (2)2打席目以降の打者優位 回を追うごとに打者の対応力は上がることがデータ上、証明されている。昨季の両リーグ平均では同一投手に対する1巡目のOPS(出塁率+長打率)が・724なのに対し、2巡目は・783、3巡目は・801だった。

 (3)新労使協定が後押し 16年オフに合意した労使協定によって今季、各チームは毎月、平均4日の休養日が設けられている。そのため、例年よりも中4日の登板間隔で回すことが容易になった。

 他にも、先発投手の年俸は救援投手より高くなるため、球団側としては頭数を減らすことで年俸総額を低く抑えられるメリットがある。また、一般的に質の高い5投手を揃えるのは難しい。

 米メディアの間でも、この試みには懐疑的な見方が多いようだ。しかし、現行の「中4日&5人制」がスタートしたのは1970年代半ばのことで、それ以前は「中3日&4人制」が主流。近年浸透している極端な守備シフトや「フライボール革命」も、当初は奇異に映っていた。

 数年後、「ブルペン・デー」のヤンキースが先発に最速105マイル(約169キロ)のチャプマンを起用し、最速165キロの大谷と先発で投げ合うこともあるのだろうか…?(記者コラム・大林 幹雄)

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2018年3月30日のニュース