清宮、三振デビュー 急性胃腸炎“問題なし”9回代打で初打席

[ 2018年2月25日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム6―4中日 ( 2018年2月24日    北谷 )

9回1死、空振り三振に倒れる清宮
Photo By スポニチ

 プロ野球のオープン戦は24日、沖縄県内で4試合が行われて開幕した。日本ハムのドラフト1位の清宮幸太郎内野手(18)は中日戦で9回に代打で登場。「プロ初打席」は早実の大先輩である王貞治と同じ空振り三振に終わったが、フルスイングで5053人の観衆を魅了した。25日のヤクルト戦(浦添)は一塁かDHで先発出場する可能性も浮上してきた。

 ついに、その時がやってきた。「4番、中田に代わり、バッター、清宮」。球場の全てのファン、関係者が清宮の「プロ初打席」を見つめた。結果は空振り三振。大きなため息は、すぐにねぎらいの拍手で消えた。

 「初めて(の打席)だし、当てにいってヒットより自分のスイングをしたかった。これからは結果も出さなければいけないと思う」

 試合前に首脳陣から代打起用を告げられ、イニング間に素振りを行うなど準備を進めた。そして7回終了時に出番が「9回の中田の4打席目」と確定。集中力を高めようとしたが落ち着かなかった。9回1死で打席に入る直前には「バットが割れていた」と気付き、慌ててベンチに戻って交換するなど浮足立っていた。

 それでも高校通算111本塁打の怪物は打席で片りんを見せた。マウンドの丸山は昨季1軍で8試合登板した2年目右腕。初球の直球からフルスイングした。惜しくもファウルとなったが、2ボール1ストライクからのフォークは冷静に見送った。「直球勝負」の読みは外れ、2球連続で投じられたフォークで空振り三振を喫したが、豪快なスイングは貫いた。

 1月中旬に右手親指を打撲。打撃練習に制限がかかり、ここまでの実戦は守備と走塁のみだった。「打席デビュー」が見えてきた矢先の22日には急性胃腸炎で練習を早退したが、翌23日には志願の自主トレで復調をアピール。そして、この日朝にチーム同行が決定した。

 試合前のフリー打撃では場外弾を含む5本の柵越えを披露。数日前からこの日を「Xデー」に設定しつつも、体調を見極めて代打起用に踏み切った栗山監督は「開幕まで約1カ月後。準備は万全ではなかったけど、暖かい沖縄で前に進めたかった」と説明した。

 巨人での現役時代にソフトバンク・王貞治球団会長がマークした868本塁打を目標に掲げる。そんな早実の大先輩も59年紅白戦の初打席で空振り三振を喫した。清宮は「結果が出なくても割り切って心のバランスを保ちたい」と力を込める。我慢を重ねた日々が少しだけ報われた。本領発揮は、これからだ。(山田 忠範)

続きを表示

2018年2月25日のニュース