名刺交換で初体験「得ですね」 改めて実感したロッテ・福浦の存在感

[ 2018年1月24日 10:40 ]

1月20日、自主トレのフリーで打撃で快音を響かせるロッテ・福浦
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 名刺をのぞき込まれる体験は初めてだ。それも決まって受け取る側はにやり笑ったり、目を見開いたりする。14年間務めたダイエー、ソフトバンク担当から新しくロッテ担当になったこの1月。初対面の監督、コーチ、選手にあいさつする機会がかなり増えた。

 「これは一発で覚えますね。得ですよ」とベテランの根元からそう、言われた。唐川はじっと名刺に視線を落とし「き、緊張しますね…」と苦笑い。それ以外のコーチ、選手の反応は普段と違った。かつてマリンスタジアムへ出張した際、タクシーを呼ぶとロッテファンと思われる運転手さんに「なんだ」という顔をされたことも数回ある。これが「俺たちの―」と歌われる福浦和也の存在感だと感じだ。

 私の故郷・熊本や長崎、鹿児島にはある名字だが、私自身、親せき以外の他人とは会ったことはなかった。だから93年のドラフト7位でロッテに指名された際は家庭内で話題に上がった。一方通行の勝手な親近感である。

 ただ、その思いは強弱はあれど、双方向だったようだ。先日、福浦の沖縄自主トレで名刺を渡した。「(記者証を)見たら“健太郎”って書いてあったから、あぁ、うちにいた猪本健太郎(現ソフトバンクブルペン捕手)と一緒と。それで名字を見たらえっ!ですよ。ダイエーの頃からやってましたよね。記事は見てましたよ!」

 出典による差はあるが、全国でも2000人ほどの珍しい名字だ。鈴木さんや佐藤さんとは違うマイノリティーの感覚だと思う。

 通算2000安打達成へあと38本――。カウントダウンに入った今季担当を言い渡されたこともまた、何かの「縁」だと思った。(記者コラム・福浦 健太郎)

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2018年1月24日のニュース