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宮本慎也ヘッド“再起”への情熱 ヤクルトを愛するがゆえ山田に厳しく

厳しさの中にも柔和な笑みを見せる宮本ヘッド
Photo By スポニチ

 ヤクルトにこの男が帰ってきた。13年の引退後、初めて現場復帰した宮本慎也ヘッドコーチ(47)。球団ワーストの96敗を喫し、最下位に転落した古巣を4年ぶりに指揮を執る小川淳司監督(60)とともに立て直す。スポニチ本紙のインタビューに応じ、チーム再建への思いを激白。愛情ゆえの厳しさを前面に押し出し、山田復活にも尽力する。 (聞き手・川手 達矢)

 ――13年以来の古巣復帰。11月の秋季キャンプで感じたことは。

 「広いグラウンドで声が出ない。正直、ビックリした。(これまでは)集中してやりなさいということだったみたいですが、これは変えようよ、と。声は凄く大事。ケガ防止の意味もあるし、指示の声も必要になる。ゲームノックでも声がなかった。衝撃的だった」

 ――改善されたか。

 「ずいぶんされましたね。見に来てくれた知り合いが、“(球場の)外から声が聞こえてきた”と言っていた。できるのにやっていなかったという部分。練習もそうだったと思う」

 ――練習は相当、ハードだった。

 「僕らのときよりもきつかったかもしれない。でも、ケガ人は投手1人、野手1人。これも、できるのにやっていなかったのかなと。僕はもっと出ると思っていました」

 ――今季のヤクルトは96敗を喫した。評論家として、外からどう見ていたのか。

 「もどかしさはあった。ケガ人が出て、代わりの選手がいない。層が薄いと思って見ていたし、評論家の方による(春の)キャンプの雰囲気はめった切りだった。ケガ人だけではないと思って見ていた」

 ――そんな中でのヘッドコーチの要請。

 「自分のいたチーム。うれしい気持ちはあった。最後は愛情で決断した。お世話になった球団で、そういう(弱い)状況になって“宮本、お願いします”という状況。僕を必要としてくれたことを素直に受け止めた」

 ――期待するのはやはり山田選手の復活。

 「難しい選手。納得しないとやりませんから。しんどいことを避けようとする。彼にとって不満でも、必要であればやらせようと思う。チームのことを考えないといけない」

 ――指導は厳しくなる。

 「実績あるから多少の配慮はしますけど、まだ25歳でしょ?年齢的に言うなら、まだ若手なので。けっこう言いますよ。“何で(本気を)出さないの?”“やってます”、“やってない”というのはありましたね。秋季練習前に(2人で)話もした。嫌みで“昔ははいと素直に言っていたのに、最近は顔に出すな”とも言った。僕は気を使わないので」

 ――今季は打撃不振に終わった。技術的な課題は。

 「フルスイングしたいから肩で振っていた。バッとあおって。あおって打つから高めの球が上がらない。で、原因を話した。でもやらない。納得いかないからね。それで“駄目ならやめていいから、数十球くらい打ってみろ”と言った。高めの球が上がりだして、意識しだしたんじゃないかな。頭の位置を動かすなともいった」

 ――改めて山田選手へ期待は。

 「特守をしても、凄く分かった。(秋季キャンプで)一対一でやったんですが、足の動きを見ても全然違う。“もっと(ノックを)打っていたいな”と思うくらいに動く。大谷やダルビッシュ、松坂、田中とか。素材があって努力をすると、なかなか凡人は追いつかない。あと3年、目いっぱい頑張れば、とんでもない選手になる。彼も嫌でしょうが、僕は付き合っていきたいと思っている」

 ――バレンティンが残留した。緩慢プレーも課題とされている。

 「本塁打を30本打てる選手はなかなかいない。怠慢プレーをすれば怒ればいいし、そこは面倒くさいと思っていない。チームへの影響もみながら、見逃すことはない。(バレンティンに)気持ちよくやってほしいというのは僕にはない。しっかりやってもらう。彼がいることで山田も生きる」

 ――90年代の黄金期から見た今のヤクルトはどう映る。

 「簡単にいうと、選手がそろっていた。それで野村監督が、基本となる部分を植え付けた。勝負に対する執念をみんなが持っていましたね。よく“家族的なチーム”と言われますが、切り替え上手で、グラウンドに出たときはその部分はなかった」

 ――それが理想。

 「メリハリの利いたチームだった。理想はそういうチーム。どうしても僕の場合は、“厳しい、厳しい”と言われるが、球団のいい部分は大事にしないといけないと思っている。ただ、今のチーム状況で言うと、当然ながら厳しさが前に出ないと難しい」

 ――指導者としての理想像は。

 「立場、立場で違うと思う。ヘッドコーチという立場で言うと、正直ないですね。どうしても指導者の理想像というと、監督を思い浮かべてしまう。野村さんとかね。そこは今の立場だとない。たくさんの教えをいただいているからそれがベースになるのは間違いないが、今の立場で野村さんというと、それは違うと思う。基本的にはヤクルトが強くなればいいし、せっかく入ったプロ野球ですから選手がお金を稼げるようになるというのが僕の基本。そこだけはぶれずにやりたいと思う」

 ◆宮本 慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府生まれの47歳。PL学園2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。95、97、01年に日本一、12年には通算2000安打を達成。ゴールデングラブ賞10度獲得。日本代表では04年アテネ、08年北京五輪で主将を務め、06年第1回WBCで世界一。日本プロ野球選手会6代目会長。1メートル76、82キロ。右投げ右打ち。

[ 2017年12月20日 09:30 ]

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