12勝目の阪神・秋山 3戦連続無四球 67年ぶりプロ野球記録更新も

[ 2017年9月1日 08:40 ]

セ・リーグ   阪神1―0ヤクルト ( 2017年8月31日    甲子園 )

<神・ヤ>7回2死二塁のピンチに大松から三振を奪い、雄叫びを上げる秋山
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 若き大黒柱としての強い自覚だろう。7回無失点。自身6連勝でメッセンジャーを抜く12勝目を手にしても、阪神・秋山は、どこか悔しげだった。

 「あの場面を抑えると、次もあるかなと思ったんですが(8回で)替えられてしまったので、まだまだだなと。8回のマウンドを投げさせてもらえる投球が僅差の場面では一つ課題になってくる」

 最大のピンチだった1―0の7回2死二塁で大松をフォークで空振り三振に斬ると、雄叫びを上げた。最大の感情表現で、続投の意思を示したつもりだったが、バトンは中継ぎに渡った。1試合を託された者として、決して満足できなかった。

 プロ8年目にして、初めてつかんだ開幕ローテーションの座を自力で守ってきた。結果を残すたびに周囲の期待は高まり、己に課すハードルも高まる。マウンドを降りても、緊張、重圧からは解放されなかった。

 「疲れですかね?最近は寝つけないですし、寝ててもすぐに起きてしまうんですよ。こんな経験、今までしたことないです…」

 アピールに必死な「若手」から、今や「エース」に立場は変わりつつある。眠れない夜…人知れず苦闘しながら、何度も壁を打ち破り、この日も白星を手にした。チームを3連勝に導き、首位広島とのゲーム差も5・5に縮めた頼れる26歳に、金本監督も「リリーフが酷使されている中で7回を投げてくれて本当に助かりました」と賛辞を惜しまない。

 歴史の扉もこじ開ける。3試合連続の無四球投球で、与四球率は0・75と50年に野口二郎(阪急)のマークしたプロ野球記録の0・69にも迫ってきた。

 「(広島にも)どんどんストライク先行で、スタイルを変えることはないと思う」

 次回は7日の登板が予想され、今季初めて広島打線と相まみえる。進化を見せつけ、奇跡の逆転Vへの道筋を示す。(遠藤 礼)

 ≪3年ぶり月間17勝≫阪神の月間17勝は今季最多で、14年4月に18勝して以来3年ぶり。8月に限れば、月間勝利球団記録の64年と68年の19勝に次ぐ49年ぶりの好成績を残した。首位・広島の敗戦で5・5ゲーム差は6月26日の5ゲーム差以来となる接近。このまま阪神が連勝、広島が連敗し続ければ、7日の直接対決(マツダ)で首位を奪回する。

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2017年9月1日のニュース