雄星「勝ちたかった」新フォームで意地の完投、11K13勝

[ 2017年9月1日 05:30 ]

パ・リーグ   西武6―2楽天 ( 2017年8月31日    Koboパーク宮城 )

<楽・西>2段モーションを修正し、2失点完投勝利を飾った菊池
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 129球にエースの意地が詰まっていた。西武・菊池が2失点完投でリーグトップタイの13勝目。楽天戦は昨年から9連勝だ。「あのフォームだったから勝っていたと言われるのは嫌だったので勝ちたかった」と話した。

 2試合連続で反則投球を宣告され、たった6日間で新フォームを再構築。実は不安だらけだった。「フォームがばらばらでどうしようもなくストライクも入らなかった」。登板前日に異例の40球を投げ込んだが球がうわずる。登板日もキャッチボールで首をかしげる姿に、西口投手コーチが「投球練習でボークか、違うか審判に一球一球確認するか」と声を掛けるほどだった。

 だが、菊池には状態が好転する予感があった。登板前夜にチェックポイントを書き記した4月の日誌を読み返し、「感覚ですね。体で思い出す感じ」と経験を力にした。先頭・オコエの初球。148キロ直球で被弾したが、「いけると思った」と手応えに変わった。

 セットポジション時に両足の幅を広く取り、右足を上げた時に軸足の左足へ体重移動してから、もう一度反動をつけていたが、この日は両足の幅を2足以上狭め、すっと右足を上げる形に変えた。「フォームの開きが早い感じだった」としたが「スライダー(の変化)をちっちゃくいけば直球もいける」と変化球の曲がりも意識し、11三振のうち10三振をスライダーで奪う結果へとつなげた。

 チームも楽天戦8連勝で、4月24日以来の2位に浮上。8回に続投志願して完投したエースに、辻監督は「投げきることで男気を見せてくれた」と称賛した。菊池にもチームにも大きな1勝だ。 (平尾 類)

 ▼菊池の2段モーション 8月17日の楽天戦の2回1死で松井稼への1、2球目に2段モーションによる反則投球を宣告され、クイック投法に切り替えて2安打完封。同24日のソフトバンク戦では右足の上げ幅を小さくしたが、初回に先頭・川島への初球に宣告され3回7失点KO。翌25日に菊池は5月と8月に審判団から注意を受けていたことを明かし、4月時をベースにした投球フォーム改造を決意。

 ≪自己最多13勝≫菊池(西)が昨年を上回る自己最多の13勝目。西武投手のシーズン13勝以上は14年岸(13勝)以来だが、左腕では05年帆足(13勝)以来12年ぶりになる。楽天戦は今季6試合に登板し、無傷の6連勝。楽天戦で無傷の6連勝以上は05年杉内(ソ)7連勝、14年金子(オ)6連勝に次いで3人目。チームでは菊池が初めてだ。

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2017年9月1日のニュース