DeNA筒香「勝てたことが一番」初1―0弾 後半戦2位は736日ぶり

[ 2017年7月26日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA1―0阪神 ( 2017年7月25日    甲子園 )

<D・神>7回無死、右越えに決勝本塁打を放つ筒香。投手・岩貞
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 これぞ、主砲だ!DeNAの筒香嘉智外野手(25)が25日、1ゲーム差で迎えた2位・阪神との直接対決で、7回に右翼席へ決勝15号ソロをマークした。1―0の勝利に導く一発は自身初で、横浜高時代から活躍した甲子園の浜風を切り裂いた。チームは4月1日以来の2位タイに浮上。シーズンを折り返した球宴以降では2015年7月20日以来、736日ぶりの進撃となった。

 筒香が常識を覆した。2試合連続決勝アーチは0―0の7回だ。岩貞の初球。内角高めを狙った141キロが、真ん中高めのボールゾーンへ。見逃さず豪快に引っ張った。吹き荒れる浜風を切り裂き、右翼席中段近くまで飛び込む15号ソロ。サヨナラ弾を放った23日の巨人戦に続き、またも一振りで試合を決めた。

 「自分の中でもいい当たりでした。ホームラン打って負けたら意味ないし、勝てたことが一番良かった」

 右翼後方から吹き付ける甲子園名物の浜風は、左の長距離砲には圧倒的に不利となる。往年の掛布雅之もバースも、打球が伸びる左翼方向へ打撃を磨き、本塁打を稼いできた。筒香はこれで通算125本塁打だが、これまで甲子園では、セ・リーグ本拠最少となるわずか2本。それもバックスクリーン右と、左翼席への一発だった。

 横浜高2年時に金属バットで聖地の右翼ポール際へ3発運んで名を売ったが、プロでは甲子園右翼への初アーチ。26日に甲子園初登板を控えたウィーランドへは自軍コーチから「浜風が吹いていればライトへの打球はまず伸びない。左打者にも積極的に内角を突け」と指示が出ていた。味方の指令も根底から覆してしまう一振りだった。

 ラミレス監督も「筒香は毎打席何かをしてくれると思い見ている。期待通り一つのホームランで勝負が決まった」と笑顔だ。1ゲーム差で追う2位・阪神との3連戦を前に、ミーティングで指揮官は「この1週間は大事な1週間になる。その中でも今日が一番大事になる」と声を張り上げた。

 そんな期待に筒香が応えた。1―0決着の決勝弾は自身初めて。チームは4月1日の開幕2試合目以来となる2位だが、勝負の夏を迎えた89試合目で2位に並んだことに大きな価値がある。それでもラミレス監督は「大事なのは明日の試合に勝つこと。それに集中する」とナインを引き締めた。殊勲の主砲も「シーズンをどう終わるかが大事。順位どうこうより、今は一試合一試合やっていくだけ」とぶれずに同調する。ようやく捕まえた虎の尾を離さず、10ゲーム先を行く鯉を捉えることだけを考えている。 (後藤 茂樹)

 ▽筒香と甲子園 横浜高時代は1年春から4番を任され、2年時の08年に春夏連続出場。春は2回戦敗退ながら、夏は5試合で打率・526、3本塁打、14打点で4強入りに貢献した。プロ入り後は45試合で打率・242、3本塁打、23打点。初アーチは昨季4月14日の9回の左翼ポール際へのソロ。7年目、通算72本目でプロ初の甲子園弾だった。

 ≪阪神戦1―0決勝弾は球団史上初≫筒香(D)が7回に2試合連続となる決勝の15号ソロ。DeNAの1―0決勝本塁打は昨年9月10日中日戦でロペスがマークして以来で、筒香は自身通算125本塁打目で初めてだ。また、チームの1―0決勝アーチの本数を球団別に出すと(1)ヤクルト10(2)中日9(2)広島9(4)巨人8(5)阪神1。阪神戦の通算本塁打は1281本目だが1―0決勝弾は球団史上初。これでチームは阪神と並び2位タイに浮上。今季DeNAの2位は開幕2試合目の4月1日以来。球宴後に2位は15年7月20日以来2年ぶりになる。前回は前半戦終了時に単独首位に立ったものの、後半戦に入り失速。最下位に沈んだが今回はどうか。

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2017年7月26日のニュース