【西東京】早実・清宮 最多本塁打お預け 1万1000観衆“空振り”

[ 2017年7月26日 06:30 ]

第99回全国高校野球選手権西東京大会準々決勝   早実5―1日本学園 ( 2017年7月25日    神宮 )

<早実・日本学園>準決勝進出を決め応援スタンドに向う清宮(中央)ら早実ナイン
Photo By スポニチ

 第99回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は25日、22大会で43試合が行われた。西東京大会準々決勝で早実が日本学園を下し、4強入り。清宮幸太郎内野手(3年)は高校通算最多の107本塁打到達がお預けとなったが、強烈な二塁打を放った。全国で5代表が決定。新潟大会決勝は3日続けて雨天順延となった。26日は22大会50試合が行われ、8代表が決まる。

 応援歌「紺碧の空」の響きが、これまでより大きい。吹奏楽部の応援がこの試合から増えた。佐賀大会では同じ「WASEDA」を胸に付ける早稲田佐賀が初優勝。清宮には感じるものがあった。

 「早稲田の風が吹いている。しっかりその風に乗れれば」

 高校通算最多本塁打記録に王手をかけて迎えた一戦は、平日ながら今大会最多の観衆1万1000人を集めた。一発は出ず、公式戦連続アーチは8試合で止まったが、勝利を最優先する主将は「四球も2つ選んだし、安打も出た。そこ(記録)を意識しすぎて負けてしまったら全く意味がない」と言い切った。

 初回の四球は雪山の適時打につながった。そして1本の安打も鮮烈だった。4回先頭。「ポンという感じで」とバットを出したつもりが、左中間へ火の出るような当たりが飛んだ。左翼手の古井(こい)の手前でバウンド。「守っていて怖かった」という古井は、目測を誤って後ろへそらしたほどだった。

 「流れがぐっときた」と一番のプレーに挙げたのは7回無死一塁での守備。一塁の清宮はバントシフトで猛ダッシュすると、自らの前に転がったボールを素早く処理して二塁へワンバウンド送球し、3―6―4の併殺を完成させた。投手・雪山は「バントさせるため真ん中に投げた」と言う。連係が光った。

 昨夏はこの準々決勝で、優勝した八王子学園八王子に敗れた。決戦前夜。ミーティングで清宮は訴えた。「(負けて)帰ってきたときに空虚感、抜け落ちてしまった感じがあった。あの感じはもう嫌だよね。去年の今頃はクラブハウスの掃除をしていたよな。明日は絶対に勝とう!」。主将の熱い言葉がナインの心を揺さぶった。

 甲子園へ、あと2勝だ。追い風を感じながら、頂まで登り切る。(東尾 洋樹)

 ▼早大・加藤(全国4強入りした15年夏の早実主将。観戦に訪れ)ボールの見極めが徹底されていた。守りの部分も成長していた。

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月26日のニュース