「ヤンキース好き」にボストン市民ムッ…次行ったら言おうと思うこと

[ 2017年7月26日 10:30 ]

今年のオールスター戦では先発投手を務めたレッドソックスのセール。右はナショナルズのシャーザー(AP)
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 ヤンキース―レッドソックス戦の取材で7月中旬にボストンに行った。ともに伝統ある球団の両軍は同地区のライバル同士。ヤ軍に松井秀喜やデレク・ジーター、レ軍にペドロ・マルティネスらがいた頃の名勝負を覚えている日本のファンも多いだろう。ホテルのフロントで「ヤンキースの試合を見に来た」とつたない英語で話すと、従業員女性は「ヤンキースのファン?オー!!」とショックを受けるような大げさなリアクションを見せた。

 タクシーに乗って「ヤンキースの試合を取材しに来た」と言うと、運転手に「ヤンキース好きか?」と聞かれたので「Yes」と答えたら、同じ質問をされた。聞こえていないのかと思って再び答えると、「ヤンキースが好きなんて言うなよ」と笑っていた。本気で少し怒っているようにも見えた。熱狂的な阪神ファンが「おまえ、まさか巨人ファンじゃないだろうな?」と言うようなノリだったわけだ。別の運転手は同じような会話の流れから最後は「ボストン、ボストン」と1人でコールしていた。

 敵意むき出しのライバル意識を感じる。14年にレ軍からヤ軍に移籍したエルズベリーがコールされるたびに、敵地ボストンのファンからは強烈なブーイングが起こる。

 レ軍には史上最強の「ヤンキースキラー」もいる。今季加入した左腕セールは、ヤンキース戦の通算12試合で防御率1・17。米データ専門会社によると、防御率が公式記録になった1912年以降、ヤ軍戦で50イニング以上投げた投手で最高の防御率だという。今季も2試合15回2/3を投げ23奪三振3失点。ヤ軍の前に立ちはだかる壁となっている。

 強力なライバル関係がペナントレースを熱くする。両軍が首位争いをしているから、さらに盛り上がる。次にボストンに行くときは「レッドソックスのファンだ」と言おうと思う。(記者コラム・渡辺 剛太)

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2017年7月26日のニュース