楽天ドラ4菅原 わずか3球でプロ初勝利 お立ち台でボケ?かました

[ 2017年5月5日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天2―1オリックス ( 2017年5月4日    Koboパーク宮城 )

<楽・オ>試合後、球場前のステージでプロ初勝利のポーズをとる菅原
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 楽天のドラフト4位・菅原秀投手(23)が4日、オリックス戦でプロ初勝利を挙げた。1―1の5回2死満塁で2番手として登板。打者1人を3球で抑え、直後の決勝点を呼び込んだ。早くも新人3人目の勝ち星で、若さが勢いを生むチームは今季最多の貯金12。2位・オリックスとのゲーム差を3に広げた。

 グラブを5度叩いた。5回2死満塁での救援。菅原は1ボール1ストライクから148キロの外角直球を投げ込み、中島を二ゴロに仕留めた。力のこもった球は、巨人・菅野の投球動画を見て体重移動の仕方を研究した成果だ。直後に味方が勝ち越し。ドラフト4位ルーキーに、4月6日の9位・高梨、同30日の5位・森原に続くプロ初勝利が転がり込んだ。

 「(先発の)古川が頑張って投げていた。年も近くて仲が良いので、抑えようと強い気持ちでいった。3球で勝利なので古川に申し訳ない」

 高卒4年目で1学年下の古川はプロ未勝利。走者をためながらも最少失点で粘っていた。「僕は続投でもいいと思ったんだけど…」と梨田監督。与田投手コーチが「菅原でいきましょう」と背中を押した。主にリードされた展開で登板し、過去7試合無失点。首脳陣の期待を背負った菅原は、無念の降板をした後輩の分まで腕を振った。

 大体大の先輩、カブスの上原が日本時間のこの日朝、メジャー400試合登板を達成した。大学時代は背番号19を継承。今年1月、野球部の50周年式典で初対面した。

 「プロは結果が全て、と言われて一球への意識が変わった。こういう選手になりたい。近づけるようにと思った」

 慣れない生活への苦労はある。大学時代は先発を務め、週1度の登板だったが、今の仕事は中継ぎ。毎日の登板準備に追われる。疲労がたまり、遠征先でホテルに引きこもることもあった。

 緊張しない性格だというが、登板時は「ほどよい緊張感があった方が良い」と、わざと呼吸を速め心拍数を上げたり「ここで打たれたら負ける」と暗示を掛け、精神面をコントロールする。同点の2死満塁。一級品のマウンド度胸を見せた。

 お立ち台で「チャームポイントは腕を振ること」とボケ?もかませる大阪生まれの23歳。同じ開幕1軍の新人2人に勝利で先を越され「悔しい気持ちもあった」という。座右の銘は、前広島の黒田博樹氏と同じ「雪に耐えて梅花麗し」。目立たない場面で結果を出し続けた右腕に、梨田監督は「7、8回を投げられるようになってくれれば」と勝利の方程式入りを期待した。今月下旬にデビュー予定のドラフト1位・藤平ら初勝利予備軍も充実。楽天が若さをエンジンに首位街道を進む。(黒野 有仁)

 ≪5月まででは球団初≫菅原(楽)がチームでは高梨、森原に次ぐ今季3人目の新人勝利。楽天でシーズン3人以上の新人が勝つのは14年の松井裕4勝、西宮3勝、浜矢、横山各1勝以来2度目で、5月までに3人のそろい踏みは今回が初となる。なお、5月までに3人以上の新人が勝利は13年ヤクルト(小川、江村、石山)以来で、パでは04年ダイエー(馬原、竹内、三瀬)以来13年ぶり。

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