藤浪「強い覚悟を持って」敵地ヤジに勝った 前回死球乱闘騒ぎ乗り越えた

[ 2017年5月5日 08:10 ]

セ・リーグ   阪神7―1ヤクルト ( 2017年5月4日    神宮 )

<ヤ・神>初回、バレンティンの内角を突く藤浪
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 決して喜べる内容ではない。課題は次回に持ち越された。それでも、8回途中まで投げたこと、白星を手にしたことは今後への糧になるはずだ。阪神・藤浪が7四球を与えながらも要所で粘り、7回1/3を4安打1失点。因縁のヤクルト相手に今季3勝目を挙げた。

 「余分な四球が多かった。粘れたのは評価したいけど、先頭への四球とか、反省しないと。打線の援護をもらっていい流れをつくってもらっているので、自分も乗っていかないといけない」

 初回2死から山田、バレンティンに8球続けてボールで連続四球。7―0と大量援護をもらった後の5回にも、先頭の中村、谷内への連続四球から1死二、三塁とし、坂口の遊ゴロの間に無安打で1点を返された。相手の拙攻もあり失点はそれだけだったものの、先頭打者への四球が3度と、課題の制球難はこの試合でも顔を出した。

 ただ、荒れ球が逆に相手打者の腰を引かせた面はあったとはいえ、並々ならぬ思いで向かってきたはずのヤクルト打線を返り討ちにしたのも確かだ。4月4日の前回対戦(京セラドーム)では、5回9四死球と今回以上の乱調。5回の畠山への死球をきっかけに両軍入り乱れる乱闘騒ぎとなった。この日も打者の顔面付近に球が抜けると、神宮球場は異様な雰囲気に包まれた。

 「それは仕方ない。ただ、もう終わったことなので。(球が)抜けたらヤジとかありましたけど、それを気にしていたら勝負できない。それなりに強い覚悟を持って投げたつもりです」

 再び右腕をヤクルト戦に登板させた金本監督は「すごく心配はしたけどでもやっぱりそこを乗り越えないと。“全部ヤクルト戦を避けるのか”という話になるから。抜け球も多かったけど、結果的に7回1/3を1失点なんでね」と振り返った。規定投球回には未到達だが、防御率も1・78まで下がった。次回は中5日で10日の巨人戦(東京ドーム)が濃厚。次こそは心から笑える快投を見せたい。(山添 晴治)

 ▼阪神・香田投手コーチ(藤浪について)右打者に対しては、抜ける怖さがあるだろうけどね。今はそこと戦っている。(右打者の内角に抜けるボールは)バッターも嫌なんだから。バレンティン(を封じたの)が最たる例だと思う。

 ▼藤浪の前回ヤクルト戦 阪神先発の藤浪は4回を終えて8四球と制球が不安定で、5回無死一塁から畠山の左肩付近へぶつける死球。起き上がった畠山が藤浪を怒鳴りつけてにじり寄ると、両軍ナインが飛び出して乱闘に発展した。ヤクルト・バレンティンは選手の輪の中に入ろうとして、目の前にいた阪神・矢野作戦兼バッテリーコーチを右腕で引き倒し、矢野コーチも跳び蹴りで応戦。2人は退場処分を受け、両軍に警告試合が発せられた。

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