最強１、２、３番！タナキクマルで全３打点　合言葉は「勇気」

セ・リーグ　クライマックスシリーズ （ 2016年10月13日    マツダ ）

＜広・Ｄ＞８回裏無死、田中（手前）のソロ本塁打に盛り上がる丸（中央）ら広島ナイン
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　強固な形がある限り、赤ヘル軍団の絶対的優位は動かない。上位打線を固める広島の同学年トリオが、またも躍動した。初回、先頭の田中が右中間二塁打で口火を切ると、菊池が確実に犠打を決め１死三塁。ここで３番・丸は一、二塁間を破る先制打を放った。

　「（田中）広輔があれだけ塁に出てくれるので、勢いをもらいながら打席に立てている」

　無限大の相乗効果。２試合連続先制打の丸は満面の笑みだった。

　リードオフマンの驚異の出塁率が勝利の要因となっている。田中は初戦は３安打１四球で全４打席出塁。この試合も初回の二塁打に続き、３回無死からの２打席目も四球を選んだ。この四球も得点へと　結び付く。三嶋の暴投、菊池の犠打、　丸の中犠飛と続き、無安打で本塁へ　と還ってきた。

　「何でもいいから塁に出る。キクがつないで丸が絶対に還してくれる流れ。それを信じて打席に入っています」。田中もまた、相乗効果を口にした。

　　合言葉は「勇気」だ。今季、　打線全体の共通認識として、回　の先頭打者は後続打者に勇気を与える役割を課せられている。出塁ならベスト。凡退するにしても一球でも粘り、三振なら狙い球を振り切って堂々とベンチへと帰る。打撃コーチ陣が中心となり、ことあるごとに「勇気」を声にして発してきた。丸は「広輔があれだけ塁に出てくれれば“行ける”という空気になる」と話す。打席に立つ９人の勇者は短期決戦でも、いかなる状況でも臆することがない。

　８回無死、田中が右越え本塁打を放ち、リードを３点に広げた。ＤｅＮＡより１本少ない４安打での勝利。効率的な攻撃力が際立った。

　「何が起こるか分からない短期決戦。優位な状況で、しっかりと勝ち切りたい」。丸は言葉に力を込める。３２年ぶり日本一へ。まずは圧倒的な攻撃力で挑戦権を勝ち取る。　（桜井　克也）