連続完封で広島王手!野村6回零封から継投でピシャリ

[ 2016年10月14日 05:30 ]

セ・リーグ クライマックスシリーズ ( 2016年10月13日    マツダ )

<広・D>最後を締めた中崎(右)らナインをハイタッチで出迎える(左から)緒方監督、ジャクソン、今村、野村ら
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 さあ直行突破だ。セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは13日、広島がDeNAに連勝し、対戦成績3勝0敗(リーグ優勝アドバンテージを含む)とした。野村祐輔投手(27)の6回零封に始まり、2戦連続完封勝ち。黒田博樹投手(41)の先発が濃厚な14日の第3戦に勝つか引き分ければ、25年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。

 お立ち台。隣の丸が「このまま明日、決めたいと思います!」と声を張り上げた後、マイクを向けられた。野村は朴とつな性格そのままに「一戦一戦変わらず…」と落ち着いた言い回し。丸から突っ込まれ、「チーム一丸、広島一丸となって頑張ります!」と精いっぱいテンションを上げた。

 「ファンの皆さんが声援で後押ししてくれたので勇気を持ってマウンドに立つことができた」

 7月29日の対戦(マツダ)では筒香に2被弾。続く8月12日の対戦(横浜)では2四球を与えたが、この日は3打席で単打1本に封じた。第1打席で空振り三振。4回に右前打を許したが「シングルだったので」と切り替えた。3打席とも、最後の球は宝刀シュートで勝負。6回には遊ゴロに仕留め、6回94球を3安打無失点で投げ終えた。

 何としても結果で示したかった。6日のJR西日本との練習試合。首に打球を受け、1死も取れずに8球で降板した。以後は実戦登板なし。「首のことで不安があると言われていたので、どうしてもいい投球をしたかった」。走者を置いてからも慌てず、間を取るなど工夫した。16勝3敗で最多勝と最高勝率(・842)の2冠に輝いた右腕にとって「鬼門」がDeNA。今季3試合で0勝1敗、防御率7・41でリーグ内の5球団で唯一勝ち星がなかった。相性の悪さを、コンディションを不安視する声もろとも払しょくしてみせた。

 野村と同様、アクシデント明けだったのが守護神・中崎だ。3点リードの9回に登板し1安打零封。セーブを挙げ「チームの力になれるか不安はあったけど、しっかり投げられた」と胸をなで下ろした。9月23日の練習中に右腰に違和感を訴え、同25日に出場選手登録を抹消。実戦復帰した6日の練習試合では1回を2安打2失点の乱調だったが、9日の紅白戦での「追試」で1回3者凡退と復調した。

 野村は海の向こうの先輩からも勇気をもらっている。リーグ優勝後やタイトル確定後、お祝いのメッセージをくれたドジャースの前田だ。お返しに、ド軍がプレーオフ進出を決めた際には「おめでとうございます」と連絡を入れ、喜びを共有して励みにした。

 緒方監督も「(野村)祐輔は全く心配していなかった。最高の結果を出してくれた」と称えた。あと1勝。背番号19は「1つも落とさずに(CSを)勝ち抜きたい」とナインを信じ、次のマウンドに備える。(柳澤 元紀)

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2016年10月14日のニュース