金本監督 藤浪に“大谷ライバル宣言”のススメ 心の「超変革」求める

[ 2016年10月14日 08:25 ]

ノックを受ける藤浪
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 阪神の金本知憲監督(48)は甲子園での秋季練習第2クール初日となった13日、藤浪晋太郎投手(22)にも「超変革」を求めた。日本ハムのリーグ優勝の原動力となった同学年の大谷の名前を出し「大谷にも負けてます。(ただ)そのうち勝ちますよ、と言えばいい」と金本流のアドバイスで鼓舞した。2005年以来のリーグ制覇には、若きエースの力が必要不可欠。「大谷超え」を意識付けし、心身ともにさらなる成長を促す。

 セ・パ両リーグで12日からクライマックスシリーズのファイナルステージが始まった。第1戦では大谷が先発し7回1安打無失点の快投で勝利を呼び込んだ。金本監督がCSを見たかどうかは不明だが、ベンチに腰を下ろすと、藤浪について口を開いた。「(秋のテーマの)一番は体力づくり。大谷やダルビッシュと体格はちょっと似たような、背が高くて…。(ただ)肉付きが全く違うから」と比較対象に挙げたのは、周囲が常に比較する同学年の大谷だった。

 「そういう(大谷と比較されるのが嫌だという)話は聞くけども、正直負けているわけだから。嫌かもしらんけど“大谷にも負けてます。そのうち勝ちますよ”と(公の場でも)言えばいい」

 長いシーズンを戦う上で基本となるのは肉体。すでに体を一回り大きくするために筋力アップを指令している。勝負において同等、時に、それ以上に必要なのが闘争心。今季、7勝11敗に終わった若き右腕に心の面での「超変革」も求めた。

 「負けるかっていう気持ちは持ってくれてると思う。闘争心もあると思う。それを(表に)出していいんじゃない。板山なんかも、あんな高山と差があっても、負けたくないって言ってたやろ。言えばいい。本音で言っていけばいいと思う」

 通算成績では、藤浪が42勝32敗、防御率2・96に対し、大谷は39勝13敗、防御率2・49。数字的には負けていないが、勝負どころでチームを勝利に導く「心技体」で大谷が勝っていると言っていい。ただ、指揮官はシーズンラスト2試合で見せた藤浪の好投を挙げ「最後2試合みたら、やっぱり、ものが違うわ。余計にもったいない」と絶対的な能力を評価。周囲が思うように、藤浪自身がライバルと公言することで「新たなエネルギー」になると踏んでいる。

 金本監督も若い頃は多くの選手と比較されてきた。負けていることを自覚し、その悔しさをバネに成長してきた過去がある。全ては反骨心が原点になっている。近い将来、日本球界を背負って立つ大エースになるべく、背番号19に大きな宿題を与えた。(山本 浩之)

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2016年10月14日のニュース