阪神・中谷、プロ初3番で同点弾 スタンドからの“小さい声”に奮起

[ 2016年8月20日 07:55 ]

<巨・神>5回1死一塁、中谷が左越えに3号同点2ランを放つ

セ・リーグ 阪神3―6巨人

(8月19日 東京D)
 阪神は19日の巨人戦(東京ドーム)に3-6で敗れ、3連敗となった。プロ6年目にして初めて3番で起用された中谷将大外野手(23)が5回に左越え同点2ランを放ち、悔しい敗戦の中で存在感を示した。

 “3打席目の正直”で描いたアーチだった。プロ入り初の3番に入った中谷のバットが火を噴いたのは、2点劣勢の5回だ。2球目の内角直球を完璧に捉え、左翼席に着弾する3号同点2ラン。若虎の意地が垣間見えた。

 「(前の2打席)同じやられ方をしていたので、とりあえず前に飛ばさないとと思っていた。うまく反応できたと思う」

 田口に対して1打席目はスライダー、2打席目はチェンジアップにバットが空を切り、2打席連続の空振り三振に倒れていた。試合前まで田口には5打数4安打、巨人戦で16打数8安打。好相性を買われた初のクリーンアップに「意識せずにやったつもり」と重圧を否定したが、チームの「中軸」としてこのままでは終われなかった。

 「なかたにー!」。聖地に響いた小さな声にぐっと拳を握った。プロ6年目で自己最多41試合に出場。「若虎の一人」を脱却してファンにも認知されるようになったという。

 「ベンチスタートでも、イニング間に外野でキャッチボール相手をしていた時に個人名で呼ばれることが多くなったんです。そんなことは、いままでなかった。小さい子が必死に声を張り上げて自分の名前を呼んでくれて…。ああいうのを聞くと、もっと試合に出ないと…と思いますよね」

 敗戦の中で希望の光をともす一発に金本監督も目を細めた。「少ないチャンスというか…彼自身がね。ああやって、あそこで一発を打てるわけだから。(3番起用は)打撃コーチが推薦してきてね。良い適時打とかも打っていたから、じゃあこれで行こうか、と」。シーズン終盤を迎えても固定されていない中堅レギュラー争い。残り29試合。1打席も無駄にできない。(遠藤 礼)

続きを表示

2016年8月20日のニュース