和田、陥落危機救った!8回零封VSハム3連勝 ソフトB首位死守

[ 2016年8月20日 05:30 ]

<日・ソ>サファテを出迎える(左から)工藤監督と和田

パ・リーグ ソフトバンク3―0日本ハム

(8月19日 札幌D)
 首位は譲らない。ソフトバンクは19日、勝率1厘差、異例のマイナス0・5ゲーム差で迎えた2位・日本ハムとの天王山第1ラウンドで3―0と快勝。和田毅投手(35)が8回を零封し、リーグ単独トップの13勝目を挙げた。日本ハム戦は3連勝で4勝目。ここ10試合で1勝9敗、敗れれば4月18日以来の2位転落だったチームを救った。

 和田は試合後、肩で息をしていた。三塁さえ踏ませない、8回4安打無失点の圧巻の投球。9回はベンチで見守っていたが、ヒーローインタビューまでに整えきれなかった。最大11・5ゲーム差をつけていた日本ハムに、負ければ首位を明け渡す一戦。死力を尽くした116球だった。

 「今年一番、大事じゃないかという試合。負けたくない気持ちを前面に出し、全身全力で投げました。疲れましたね」

 7月29日から日本ハム戦登板は3度目。過去2度に続いて早大の後輩・有原に投げ勝った。奪った9三振のうち、4個が見逃し。全部、直球だった。7回無死から大谷に中前打され、迎えた中田には1ボール2ストライクから外角へ145キロ。中田はぴくりとも動けなかった。1、2打席は変化球勝負。この打席も追い込んだのは変化球だった。直球の選択肢をできるだけ消し、まんまと裏をかいた。11年以来5年ぶりだった細川との「71歳バッテリー」が、変幻自在に目先を変えた。

 16日の西武戦(ヤフオクドーム)の練習前、福岡在住のマジシャンに依頼し、ベンチ裏で50分間のマジックショーを開催した。「(カブスの)マドン監督がやって(チームの)空気が変わった」とメジャーでの経験を生かし、マウンド以外でも流れをつくった。13勝という数字以上の財産を、チームに与えている。

 マジック点灯に王手をかけていた6日から1勝9敗と失速し、1位ながらも日本ハムに0・5ゲーム上回られた。同じくマジック王手から1勝9敗だった14年は最終144試合目でオリックスを退け、優勝している。この勝利は歴史を繰り返すための出発点になった。

 「日本ハムも力がある。ここからホークスの力でぶつかればいい」。和田の言葉は、結果を出したことで輝きを増した。(福浦 健太郎)

 ≪最短21日にM点灯≫和田(ソ)がパ単独トップとなる13勝目。メジャーから国内復帰初年度の勝ち星としては03年伊良部(神)に並ぶ最多になった。なお、この日の結果、ソフトバンクには早ければ21日にも優勝へのマジックナンバーが点灯する。条件は、今日、明日の日本ハム戦に連勝すればM29、1勝1分けでもM30が出る。

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