球児 ヒヤヒヤ9回大ピンチしのいだ 金本監督「天国か地獄か…」

[ 2016年8月11日 07:15 ]

<広・神>勝利しハイタッチする藤川(右端)ら阪神ナイン

セ・リーグ 阪神2―1広島

(8月10日 マツダ)
 最後は“守護神”の意地と気迫でしのいだ。1点リードの9回に登板した阪神・藤川は3四球で2死満塁と一打サヨナラのピンチを招いたが、全4球直球勝負した新井を真ん中高めで右飛に仕留めた。

 「それ(無失点)は、たまたま。体力を養って、また頑張ります」

 降板後は短い言葉を残すことで精いっぱいだったように、まさに必死の救援だった。セーブが付く場面での登板はサヨナラ2ランを浴びた6月10日日本ハム戦以来。1イニングに34球を要し、一度も空振りを奪えなかったことが示すように、本調子ではなかった。金本監督が「(最後は)天国か、地獄かという場面でね」と振り返る息詰まる展開も、元守護神としての経験を生かし、6月1日楽天戦以来の3セーブ目を挙げた。

 新井にリベンジも果たした。6月24日の同舞台では屈辱を味わった。同点の8回から2番手で登板。2死一、二塁から代打として登場した新井に右中間への決勝三塁打を浴び敗戦投手となっていた。痛恨の敗戦の借りを、ようやく返した。

 マテオも何とか抑えた。「いつも、そういうところ(中軸と対戦)で回ってくるから大丈夫だ。(起用法も流動的だが)それは問題ない」。前回登板した7日のヤクルト戦(神宮)では同点の9回に登板し、イニングまたぎとなった延長10回にサヨナラ負けを喫した。この日は8回から登板し2死から一、二塁とピンチを招いたが代打安部を空振り三振に仕留めた。

 香田投手コーチが「いろんなことを考えてね」と話すように、今後も両者の起用は流動的となるが、常にチームの勝敗を背負う場面での登板になることに変わりはない。苦しみながらもスコアボードに0を並べた「ダブル守護神」が、残り試合も勝利を呼ぶべく、腕を振る。 (山本 浩之)

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