巨人・田口 母校・広島新庄に続いた8勝「先輩も頑張ったよ」

[ 2016年8月11日 05:30 ]

<巨・D>6回2死二塁、DeNA・梶谷を三振に仕留め、ほえる田口

セ・リーグ 巨人5―2DeNA

(8月10日 東京D)
 巨人の田口麗斗投手(20)が10日、DeNAを相手に7回2/3を2安打1失点に抑え、先発ではチームトップの8勝目を挙げた。6回2死まで無安打で、自己最多となる134球の熱投。自身5連勝となり、阪神に敗れた首位・広島とのゲーム差を4・5に縮める勝利に貢献した。菅野が左足親指爪の血まめで離脱する中、エース級の働き。母校の広島新庄が甲子園の初戦で関東第一を破った日に、自らも白星を挙げて祝福した。

 お立ち台で興奮していた。田口は思わず故郷の広島弁で叫んだ。

 「先輩も頑張ったよ、と言うときます!」

 この日は甲子園に出場した母校・広島新庄の1回戦。ナイターの登板を控えているにもかかわらず、午前8時から寮のテレビにくぎ付けになった。13年の夏、自身は広島大会決勝で延長再試合の末に敗れ、甲子園に手が届かなかった。同じ左腕でプロ注目のエース堀は177球を投げ抜き、延長12回の末に関東第一に勝利。試合後「おめでとう」と電話をかけると、逆に3学年下の後輩から「次は田口さんが頑張ってください」とエールを送られ、気合を入れた。

 初回、2四球で1死一、二塁のピンチを招いたが、4番・筒香を投ゴロ併殺に仕留めた。得意のスライダーだ。6回2死まで無安打の快投。2試合連続完封が近づいてきた8回、球威が落ちた。2死から桑原に10球ファウルで粘られ、16球目で四球を出したところで降板した。「四球も多かったし、リズムが悪かった。最後まで投げ切りたかった」。4四球に反省したが、プロ入り最多の134球を投げ抜いた。

 マツダスタジアムでの前半戦最後の登板を2日後に控えた7月11日だった。「今年はバタバタしてあいさつできていなかったから」と今年初めて母校を訪ね、迫田守昭監督と顔を合わせた。「迫田監督の教えは今の僕につながっている」と感謝する恩師。「野手に伝わるから、投手は何があっても表情を変えるな」という教えを胸に刻み、ピンチを招いてもポーカーフェースを貫いている。

 先発ではチームトップの8勝目を挙げた高卒3年目左腕に、高橋監督は「期待してローテーションで回しているし、その期待に応えてくれている」と目を細めた。田口はかつて「菅野さんのように最後まで任される投手になりたい」と言った。完封は逃した。だが、7月の月間MVPで5連勝の20歳が、負傷で離脱中のエースの穴を埋めている。 (神田 佑)

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