筒香、連夜の2発で山田猛追3本差 ラミレス監督への恩返し胸に…

[ 2016年7月21日 05:35 ]

<ヤ・D>8回無死一塁筒香はこの日2本目の本塁打を打ち山田の前を駆け抜ける

セ・リーグ DeNA9-2ヤクルト

(7月20日 神宮)
 DeNAの筒香嘉智外野手(24)が20日、ヤクルト戦で2試合連続の2本塁打を放った。5回に2戦連続の決勝弾となる右越え25号ソロを放つと、8回にも右越え26号2ランでダメを押した。昨季の24本を上回る自己最多を更新。さらに、月間1試合2発は球団新記録となる4度目となった。リーグトップで29本塁打のヤクルト・山田にも3本差まで迫った。

 試合後、神宮球場の通路で取材を受けていた時だった。筒香は横を通り過ぎた梶谷に言われた。

 「あ、神様や!」。2戦連続の1試合2本塁打。それも連日の決勝弾だ。どこかの選手のように「神ってる」4番は、「チーム全員で戦っている中、勝利に貢献できる一本を打ててうれしい」と冷静に振り返った。

 まずは2―2で迎えた5回だ。1死からヤクルト・小川が投じた内寄りの142キロ直球を軸回転でジャストミート。右翼の雄平は一歩も動けず、打球はスタンド中段に達した。90試合目にして昨季を超える自己最多の勝ち越し25号ソロ。満員となった2万9223人の観衆の度肝を抜いた。

 前夜も9回の決勝弾を含む2本塁打で「求めてる感覚に近い」と絶好調を宣言した男が、これだけでは終わらない。8回にもダメ押しの26号2ラン。右翼ポール際に弾丸ライナーで運んだ。7月10本塁打。月間4度目の1試合2本塁打は球団新記録だ。リーグトップの29本を放っているヤクルト・山田の前で計4発。一気に3本差とした。

 ここ数年、取り組んできたのが投球に対してバットをインサイドアウトの軌道で最短距離でボールにぶつけること。7月に入って感触が抜群になり、ボールを手元まで引き付けられている。この日も計5打席、20球でわずか3スイングながら2本塁打。「球もよく見えているし、1球で仕留められるようになってきた」と手応えを口にした。

 胸に刻んでいる言葉がある。コンディション不良や打撃不振でわずか23試合の出場に終わった13年、当時現役だったラミレス監督と2軍で多くの時間を共有した。腐りそうになっていた時に掛けてくれた言葉は「いつか自分が監督になったら、ゴウ(筒香)を4番で使う」。うれしかった。打撃技術や配球についての考え方なども学び、翌14年の22本塁打、15年の24本塁打にもつなげた。

 「ホームランの数に目標はない。主将をやらせてもらっている中で、少しでもチームの勝ちに貢献したい」。目標はチームの優勝。今季から再び運命が交錯したラミレス監督を胴上げすることが、4番打者の恩返しだ。(山田 忠範)

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2016年7月21日のニュース