虎党ため息…14年ぶりの甲子園7連敗 9回に異例の「六甲おろし」

[ 2016年7月21日 06:17 ]

<神・巨>金本監督は選手交代を告げうつむきながらベンチに引き揚げる

セ・リーグ 阪神2-6巨人

(7月20日 甲子園)
 阪神・西岡が大きな代償と引き換えに振り出しに戻した一戦も、勝利をつかむことはできなかった。最後、西岡に代わって途中出場した大和が山口の前に空振り三振に倒れると、甲子園に4万2423人のため息が漏れた。甲子園では6月28日DeNA戦の勝利を最後に02年以来、14年ぶりとなる7連敗。力をもらえるホームでさえ勝てない、苦しい現状に金本監督も疲労の色を隠せなかった。

 「良い当たりが全部正面を突いたかなと。北條も当たりとしては、ほぼ完璧だから。いい当たりが正面を突いたのと、村田のポテンヒットが決勝打になったのと。その差じゃないかなと思う」

 拙攻の連続にも選手を責めることはしなかった。巨人を上回る8安打を放ちながら得点はわずか2点。原因は好機で、あと1本が出ないことにある。特に満塁での逸機が目立つ。今季3度対戦し3勝を献上している苦手・田口攻略へ初回2死満塁では北條が速球を打ち損じて捕邪飛。5回1死満塁では強烈な打球も三ゴロ併殺打に終わった。この日の2度を含め、阪神の満塁機は7月8日の広島戦の4回無死満塁から11打席連続凡退。3回2死三塁での空振り三振も含め再三の好機を生かせなかった北條は「前向きに、やっていきます」と悔しさを押し殺すことで精いっぱいだった。

 打撃不振のゴメスに代えて「5番・一塁」で先発起用された原口は3回無死一、二塁で田口の初球スライダーを打ち損じ二ゴロ併殺打。2打数無安打に「チャンスでしっかり打てないと、こういう展開になってしまう」と責任を感じていた。

 借金も今季ワーストを更新する13まで膨らんだ。「ファンを喜ばせてあげたいけど…」。敗戦後に指揮官は苦しい胸の内を明かした。9回の攻撃前には、虎党が「六甲おろし」を大合唱した。その異例ともいえる、異様な光景が、勝てない金本阪神を象徴していた。(山本 浩之)

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2016年7月21日のニュース