大瀬良今季初登板も3回4失点 2軍で再調整も

[ 2016年7月21日 06:53 ]

<広・中>1回、2点を失った大瀬良

セ・リーグ 広島6-7中日

(7月20日 マツダ)
 右肘痛からの復活を目指す広島・大瀬良大地投手(25)の今季初登板はホロ苦い結果に終わった。同じ「14」番を背負う津田恒実投手の命日だった20日、中日戦(マツダ)に先発し、3回7安打4失点で無念の降板。結果を踏まえ、緒方監督は2軍での再調整を示唆した。試合は延長10回の末に6―7で敗戦。打線は4点差を追い付いたものの、6番手・今村が決勝点を奪われた。

 右肘痛からの復活を目指す大瀬良にとっては、無念の今季初登板となった。序盤3回までに球数69球を要し、7安打4失点降板では不本意極に違いない。チームが延長戦の末に後半戦初黒星を喫した試合後。右腕は淡々と試合を振り返った。

 「直球でファウルが取れず、状態としてはあまりよくなかった。追い込んでからとか、2死からとか、打ち取らなければいけない場面で打たれたのがよくなかった…」

 試合開始直前の降雨により、20分遅れでプレーボール。微妙にリズムが狂ったのか、初回の先頭・大島にいきなりアーチを浴びた。カウント1―2と追い込みながらの内角カットボール。さらに2死一、二塁から福田に一、二塁間をゴロで破られ、2点目を失った。

 以降も“らしさ”は見えなかった。簡単に2死を取りながら、2回は大島とエルナンデスに、3回は福田、堂上に連打を許して失点。自己最速154キロの剛速球が最大の武器だが、この日は142キロに止まり、大瀬良らしい躍動感にも欠けた。結果、3回の打席で早々と代打が送られた。

 沖縄キャンプ中の2月21日、右肘違和感を訴えて侍ジャパンの台湾戦代表を辞退。同25日には、右肘内側側副じん帯の部分損傷で加療2週間と発表された。以来5カ月。懸命なリハビリで昇格にこぎつけた。くしくもこの日は同じ「14」番を背負った津田恒実投手の命日。誰もが待望する復活劇は持ち越しとなった。

 「球威や制球面で、大地本来の力を出し切れていなかった。2軍でいい調整をしてきたといっても、久しぶりだからね。状態を1回見て…というところだったので、抹消する方向で考えている」

 緒方監督は言葉を選びつつ、右腕に再調整の場を設ける意向を示した。誰もが才能を認める次代のエース候補。このままでは終われない。無論、大瀬良本人が強くそう思っているに違いない。

 「ゲームをつくるための基本的なことができなかった。しっかり反省したいと思います」

 ホロ苦い結果を胸にしまって出直しへ。巻き返す時間はまだ十分ある。(江尾 卓也) 

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2016年7月21日のニュース