坂本弾で巨人再奪首 松井以来の甲子園3連発!打率も首位に

[ 2016年5月12日 05:30 ]

<神・巨>初回2死、坂本が中越えに先制ソロを放つ

セ・リーグ 巨人3―1阪神

(5月11日 甲子園)
 ミスター甲子園だ。巨人の坂本勇人内野手(27)が11日、阪神戦の初回に先制の中越え9号ソロを放った。今季、甲子園では3戦連発となり球団では1999年の松井秀喜以来17年ぶりとなった。打率・359でリーグトップに躍り出た主将の一発が決勝アーチとなり、チームは連敗を3でストップ。甲子園では今季初戦から3連勝(1分け挟む)で95年以来21年ぶりとなった。上位の中日と広島がともに敗れたため、3位から一気に首位を奪回した。

 思わず足を止めた。巨人では99年松井秀喜以来の甲子園3戦連発。帰りのバスへ続く階段を下りていた坂本はその名前を聞いた途端、フリーズした。うれしさと恐れ多さが入り交じったような表情で「それは、特に…」。感想をうまく言えない姿も珍しかった。

 「いい集中をして、いい形でひと振りで仕留められた。(メッセンジャーは)コントロールもいいし、球も速いピッチャー。打席にいく前にいい準備ができたと思う」

 勝利を呼び込む一発は初回だ。2死走者なし、1ボールからメッセンジャーのカーブを強振した。バックスクリーン左へ先制の9号ソロ。この試合のファーストスイングが、決勝点になった。今季、甲子園4試合で14打数8安打の打率・571、4本塁打、10打点。「まだ何試合しかしていないので続けられるといい」と謙遜したが、阪神打撃陣もうらやむ数字だ。同球場が本拠地の阪神ではゴメスの4本塁打、12打点が最多。4戦だけの坂本がゴメスに本塁打で並び、ゴメス以外の打者より打点が多くなった。

 「地元で打ててうれしいですね」。兵庫県伊丹市出身。甲子園は、当時の実家から車で30分ほどの距離にあった。高校進学まで暮らした実家は引っ越したが、両親への感謝を忘れない。母の日だった8日の中日戦(東京ドーム)の初回の1打席目。G2の「LETTER~おかんに贈る音の手紙~」を流した。07年6月19日に47歳で他界した母・照美さんへの変わらぬ思い。さらに「父親がいつ来てもいいように、毎試合チケットは用意しています」と気遣いを続けている。この日、父親が観戦したかは把握していなかった。ただ調子が悪い時はフォームを指摘するメールが送られてくるそうで「最近は来ないな…」。父親のメールが減ったのは好調の証だ。

 2打数2安打2四球で全打席出塁。打率・359でリーグトップに立った。チームも連敗を3で止め、首位に返り咲いた。「連敗も止まったし、明日ゆっくり休んで次に備えます」。前日が雨で中止となり、1試合で甲子園を去るのはもったいないが、その分は13日からのヤクルト戦(東京ドーム)で打ちまくる。 (春川 英樹)

 ≪4試合連続なら87年山倉以来≫坂本(巨)が初回に決勝の先制9号。メッセンジャーからは5本目になるが、全て肩書付きの殊勲弾で4本が勝利打点。また、投手別では前田健(広)、石川(ヤ)、小川(ヤ)に並ぶ最多本数になった。なお、甲子園では4月27日から3試合連続弾となり同球場通算10本塁打。巨人打者の甲子園3試合連続本塁打は99年松井以来で、4試合連続なら87年山倉以来となるがどうか。

 ▽99年巨人・松井の甲子園3戦連発 6月13日、メイから4回に先制20号ソロ。約1カ月後の7月16日は、8回に田村からダメ押しの25号ソロ。翌17日には5回に?西からリーグ単独トップの26号、7回に竹内から2打席連発で27号を放ち、3試合とも勝利に貢献した。松井はこの年甲子園で6本、自己最多の42本塁打を放った。

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2016年5月12日のニュース