能見よすまん…金本阪神 悪夢の初サヨナラ負け

[ 2016年4月2日 05:30 ]

<D・神>9回裏無死、筒香(左)に同点ホームランを打たれた能見

セ・リーグ 阪神1-2DeNA

(4月1日 横浜)
 能見よ、スマン…。阪神は1日のDeNA戦(横浜)で9回サヨナラ負けを喫した。前日31日に3イニングを投げた守護神マテオを欠く中、先発の能見篤史投手(36)が8回まで無失点と粘投も、1点リードの9回に力尽きた。金本知憲監督(47)は能見の投球を称えた上で、「1点で勝とうというのは、 虫のいい話」と4安打1得点に終 わった拙攻を嘆いた。

 この日は4月1日、エイプリルフールだった。悔しい敗戦が実はウソでした…というオチなら、どれだけうれしいことだろう。7試合目で初のサヨナラ負けを味わった金本監督は、淡々とした表情で会見場に姿を現した。

 「(能見は)筒香への入り方だけ。あそこだけだったかな、勝負で負けたのは。(それ以外は)ほぼ完璧でしょう」

 9回途中2失点―。勝利目前で力尽きたとはいえ、前日31日のヤクルト戦(神宮)でフル回転した救援陣を少しでも休ませようと127球の粘投を責めるわけにはいかない。いや、そもそも指揮官は誰かを責めるつもりなど毛頭なかった。ただ嘆くとするなら…。4安打1得点だった打線になってしまう。

 「そうやね…、まあ相手は開幕投手やけど。やっぱり1点ではね。なかなか。1点で勝とうというのは虫のいい話やね」

 相手先発は開幕投手を務めた井納。元より、簡単に攻略できる投手ではない。その難敵から、打線は4回2死一、二塁から西岡の右前打で、幸先よく先制。だが、その後が続かなかった。相手バッテリーミスから得点圏に走者を進めた6回2死二塁では、鳥谷が三ゴロに倒れた。だから7回には、割り切った攻め方で攻略の糸口を探った。

 「(7回の2者連続犠打は)高山を信頼というか。あそこはワンバウンドが多い投手だしね。向こうの外野も前に来るから、(単打)1本じゃ帰れないでしょ」

 先頭の西岡が中前打で出塁。続く岡崎の犠打で二塁へ進めた。正攻法なら、ここで一打を期待する場面だろう。ただし打席には投手の能見。凡退ならアウトカウントが増えるだけだ。それなら、少しでも得点確率が高いタクトを選んだ。指揮官の選択は、球団では5年ぶりという2者連続犠打だった。2死三塁。井納は6回にも暴投しており、バッテリーミスで1点を奪える。配球も限定させることになる。結果的には得点に結びつかなかったものの、相手バッテリーの「内面」も攻める一手だった。

 「そこまで投手コーチと話はしていないけど、(マテオが)いたらどうだったんだろう。それは本当に、いない者のことは考えていないから。ちょっと分からないけど」

 打てない時の工夫も凝らしたが、追加点は遠かった。前日31日に3イニングを投げたマテオの不在も響いた。それが能見にとって発奮材料になるとともに、重圧にもなってしまったのかもしれない。この日は、そういう試合だった。苦しい台所事情の中、投打両面で、やれるだけのことはやった。勝敗は兵家の常。切り替えて、やり返すのみだ。(惟任 貴信)

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2016年4月2日のニュース