ラミDeNA初サヨナラ!「信じられない勝利」

[ 2016年4月2日 05:30 ]

<D・神>9回 2死 一、二塁 サヨナラ打の下園を祝福する筒香ら(右端)らDeNAナイン

セ・リーグ DeNA2-1阪神

(4月1日 横浜)
 水が入ったペットボトルを持ち、DeNA・筒香は一塁ベンチを勢いよく飛び出した。殊勲打の下園は一塁ベースを回り、両手を突き上げた。もう雨なのか、水なのか、分からない。一丸で勝利をつかんだナインを歓喜のシャワーが包む。ラミレス監督は「信じられないような勝利。サヨナラの瞬間はグラウンドに駆けだしていきそうだった」と監督初のサヨナラ勝ちの味をかみしめた。

 0―1で迎えた9回、能見に完封されそうな試合をひっくり返した。まずは先頭の筒香が反撃の一発を見舞った。能見が投じた初球の直球をフルスイング。低いライナーの打球は失速することなく、左中間席に突き刺さった。2戦連発の同点3号ソロ。昨季9打数7安打、1本塁打、6打点と相性抜群だった能見からの一撃に「まずは出塁を考えた。絶対に勝ちたかった」と胸を張った。

 歓喜の瞬間は下園のバットが生んだ。なお2死一、二塁から代打で登場。代わったばかりの歳内が投じた139キロ直球を強振すると、打球は左中間を破った。プロ10年目で初のサヨナラ打。今季から選手会長を山口に譲ったが、代打への準備や練習に取り組む姿勢は若手の手本だ。筒香と上がったお立ち台では「最高です!ゴウ(筒香)の一発の勢いで打たせてもらいました!」と声を張り上げ、拍手を浴びた。

 筒香は前日の巨人戦(横浜)でも7回に菅野から同点3ラン。しかし、延長11回の末に敗戦し、空砲となった。この日はサヨナラ勝ちで報われた。前日の試合前には「左手の力が入りすぎている」と感じ、ロングティーで修正。何球か自身の左手でボールを上げてから、ノックのように軽く打球を飛ばすことで力みを消した。インパクトの瞬間だけ力を入れることで規格外のスイングスピードが復活。手元まで引き付けることも可能となり、この日の一発は昨季24本塁打(中3、右中4、右17本)で一本もなかった逆方向だった。

 筒香は言う。「選手も首脳陣も全試合勝つつもりでやっている」。その24歳の若きスラッガーを、不動の4番に据えるラミレス監督は「本当に素晴らしい日になった」と目を細めた。(山田 忠範)

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2016年4月2日のニュース