鵜久森に続き今度は坂口V打!真中再生工場第2弾だ

[ 2016年4月2日 08:30 ]

<ヤ・中>真中監督(左)が坂口を出迎える

セ・リーグ ヤクルト4-1中日

(4月1日 神宮)
 小雨が降りしきる神宮球場。肌寒かったが、移籍後初のお立ち台に上がったヤクルト・坂口の顔は上気していた。

 「メッチャうれしいです。何も考えんと必死でいきました」。関西弁で満面の笑みだった。

 同点の5回2死一、二塁で大野の直球を中前に運んだ。移籍後初適時打は値千金の勝ち越し打。7回にも中前適時打で中日を突き放し「(狙い球は)ないです。行けると思ったら行く」と感性の打撃論で振り返った。

 昨オフに自由契約を申し出て、オリックスを退団。ヤクルトから獲得の打診が来たのはドラフト終了後の日本シリーズ期間中だ。1位指名のクジで外した明大・高山(阪神)が入団していれば、実現しなかった移籍。それでも真中監督から直接ラブコールを受け「必要としてくれて感謝している」と新天地に選んだ。

 巨人との開幕3連戦では6番だったが、3連敗を喫したことで次の阪神3連戦から1番に固定された。新リードオフマンが機能し、今季初の連勝で2勝1敗1分け。上昇気流に乗った。日本ハムを昨オフ戦力外になり、3月30日の阪神戦(神宮)で決勝弾を放った鵜久森に続いた。かつての野村克也監督をほうふつさせる「再生工場」で、新戦力を起用している真中監督は「少ないチャンスで点を取った。うちらしい試合」と目を細めた。

 兵庫県明石市で生まれ育ち、近鉄、オリックスと関西の球団で活躍してきた。31歳で初の東京暮らし。「東京の夜はヤバイ。街が華やかで太陽が沈むとヤバイです」。さらに、花粉症も関西と東京では違うという。「東京の方が花粉が凄い。朝起きる時しんどい」と試合前に鼻をすすっていた。東京はまだ不慣れだが「敵の時から(ヤクルトは)明るくてチームワークが良いと思った。みんなが優しい」と、すっかり溶け込んでいる。

 試合後、一塁スタンドから「ヤクルトに来てくれてありがとう!」と声援が飛んだ。坂口は「後ろの打者が凄いんで、自分がしっかりすれば点は取れる」と力強く言った。恩返しの活躍はこれからだ。(平尾 類)

 ◆坂口 智隆(さかぐち・ともたか)1984年(昭59)7月7日、兵庫県生まれの31歳。神戸国際大付ではエースとして2年春にセンバツ出場も初戦敗退。02年ドラフト1巡目で近鉄入団。05年から球団合併に伴いオリックス所属。11年、全試合フルイニング出場を達成し、最多安打を獲得。今季からヤクルトへ移籍。1メートル81、82キロ。右投げ左打ち。

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