3年目右腕恩師に感謝 高梨プロ初勝利「高橋監督のおかげ」

[ 2016年4月2日 05:30 ]

<日・ソ>9回1イニングを無失点の投球でプロ初勝利を挙げた高梨

パ・リーグ 日本ハム4-3ソフトバンク

(4月1日 静岡)
 ずっとこの時を待っていた。鳥肌が立ったままだ。プロ3年目の初勝利で、初のお立ち台。日本ハム・高梨の笑顔がはじけた。
 
 「うれしい。投手の方がしっかりつないでくれた。みなさんに感謝したい。ファンの方もたくさん見に来てくれた。思い出に残る1勝になった」
 
 守護神・増井がまさかの同点とされて迎えた9回。流れを変えるべく、高梨はそのマウンドに立った。4番・内川をフォークで三ゴロに打ち取ると、カニザレスは直球で詰まらせて二飛。最後は松田をスライダーで遊ゴロに仕留めた。ソフトバンク自慢の中軸を3者凡退。「一人一人の打者に全力投球で臨んだ。自分の球が投げられた」。この快投が再び流れを呼び込み、9回に陽岱鋼(ヨウダイカン)がサヨナラ二塁打。プロ初勝利が転がり込んだ。
 
 13年ドラフト4位の24歳。山梨学院大時代には、昨年他界した元巨人、日本ハムの高橋一三氏の指導を受けた。巨人のV9を支えた名左腕から代名詞の曲がりの大きいカーブも伝授され、一番心に残っている言葉は「練習はうそをつかない」。その言葉を胸に、プロ入り後も地道に走り込みを重ねてきた。「体が突っ込んでしまう癖があるが、だいぶ良くなった」。鍛え上げた下半身が安定した投球フォームを生み、球威、そして制球力アップへつながった。
 
 昨季、2軍で先発として結果を残し、今季満を持して初の開幕1軍入り。6番目の先発として期待されるが、開幕直後は日程が緩く、現在は中継ぎとして貴重な役割を担う。今季は自己最速を1キロ更新する150キロも計測。「僕が今、野球ができているのは高橋監督のおかげ。(墓前に)報告したい」。頼もしい男が大きな一歩を踏み出した。 (柳原 直之)

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2016年4月2日のニュース