阪神・ヘイグ 抜群の「BB/K」、太鼓判押していたムネリン

[ 2016年4月2日 08:05 ]

3月30日のヤクルト戦で来日第1号ソロを放った阪神・ヘイグは、スタンドで観戦する家族を笑顔で指さす

 プロ野球は開幕して3カード目に入ったが、ここまでは新外国人選手の活躍も目立つ。巨人のギャレットは開幕ダッシュに大きく貢献。中日のビシエドは開幕3試合連発、オリックスのボグセビックも開幕6試合連続打点をマークしている。

 新外国人の打者が日本で成功する条件の一つは、選球眼の良さ。変化球が多い日本の投手に対し、いかに低めのボール球を振らないか。「メジャー●発」などという肩書きはあまりに参考にはならない。その意味で今季注目したいのは、阪神のヘイグだ。メジャー実績は通算43試合で打率・226、本塁打0と決して「大物」ではないが、日本での活躍に太鼓判を押していたのが、昨季ブルージェイズ傘下の3Aバファローで同僚だった現カブスの川崎宗則だ。

 昨年12月、阪神入団が決まった時、こんなことを言っていた。「野球に取り組む姿勢が素晴らしく、とにかく選球眼がいい。ボールを引きつけることができるので、日本の野球にも合うと思う」。技術的な根拠もある。打撃フォームは独特で、バットを上段に構え、そこから一度グリップが下がって打ちにいく。一般的にこのように「動き」が大きい外国人選手は、日本の投手の変化球のえじきになりやすい。しかし、川崎は「バットのヘッドの使い方が上手。リストが強くて、かつ柔らかい。ヘッドをちょんと返す打ち方」と解説していた。実際ここまでの試合でも外角球にこねることなく、引っ張って強い打球を打つ場面を見た。

 選球眼に関しては、「BB/K」という指標がある。四球の数を三振の数で割るものだが、数字が高いほど選球眼がいいとされる。また、長打狙いの選手は三振が多くなるので、「BB/K」の高い選手はミート重視の選手とも言われている。そこで昨季のヘイグの3Aでの数字を調べると、136試合で61四球、65三振で「BB/K」は0・94。昨季、日本のプロ野球で1・0を超えているのは、中村晃(ソ)、鳥谷(神)、近藤(日)の3人だけ(規定打席到達者)なので、これはかなり高い数値といえる。

 ちなみにギャレットはメジャーでの数値なので単純に比較はできないが0・22と低く、同じ3A組ではビシエドとボグゼビックは全く同じ0・45だった。近年の阪神の外国人選手で最も成功したのはマートン。彼も日本に来る前年は3Aでプレーしていたが、「BB/K」は0・75と高かった。打ち方は個性的だが、タイプ的にはマートンに近いヘイグ。日本向きの助っ人と言えるのではないか。(記者コラム・甘利 陽一)

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2016年4月2日のニュース