大一番の重圧なんの!武田 新エース証明 最多勝へ1差12勝

[ 2015年9月18日 05:30 ]

<ソ・西>7回1失点で12勝目を挙げた武田

パ・リーグ ソフトバンク5-3西武

(9月17日 ヤフオクD)
 吠えた。そして、両腕を思い切り突き上げた。大事なマウンドを任されたソフトバンク・武田の5回だ。1点を奪われ、なお2死満塁。外角を狙った146キロは内角高めへの逆球になったが「気合の入れ方も違った。何をやっても勝ちたいと必死だった」。脇谷を空振り三振。最大のヤマを越えた。

 大一番でも「来ちゃったなという感じ」と気負いはゼロ。プロ入り以来8勝無敗の西武打線を7回1失点に抑えた。右手人さし指のマメをつぶし、12日ぶりの登板だったが、5回以外はピンチらしいピンチもなかった。

 「2桁勝つだけで満足するな。15、16勝を目指さないとダメだ」。今季、工藤監督から言われ続けた。エースを目指し、新たな挑戦をした。4月1日のオリックス戦(ヤフオクドーム)では6回途中7失点KOされると、佐藤義則投手コーチに「ヨシボールって、どうやって投げるんですか?」と相談。フワッと浮き上がってから落ちる魔球を手に入れるためだ。カーブより速く沈み、打者を幻惑する。投球の幅は格段に広がった。

 左手のグラブは球威アップの秘密兵器だ。オリックス・金子のモデルを完全にコピーしたグラブの最大の特徴は、外側の人さし指カバーの位置。通常より中指側に付けることでグラブを閉じたときにより手を強く握ることができる。それが左手の引きつけにつながり投球フォームの回転速度は上がった。5回のピンチで、高めに浮いた直球で空振りが取れたのは左手の一押しのせいでもあった。

 12勝目。トップの日本ハム・大谷に1差と迫り、最多勝のタイトルも見えてきた。プロ4年目で初の2桁勝利を挙げ「昨年とは違う立ち位置。(優勝の)実感が湧いている。まだまだ先はあるので、しっかり勝ちたい」。エースへの階段を少しだけ、上がった。

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