ソフトバンク圧倒的な強さ データで探る独走の「4つの要因」

[ 2015年9月18日 08:06 ]

<ソ・西>最速だ!最強だ!就任1年目でぶっちぎりのパ・リーグ制覇を成し遂げた工藤監督はナインの手で9度、歓喜の本拠地に舞う

パ・リーグ ソフトバンク5-3西武

(9月17日 ヤフオクD)
 ソフトバンクが2年連続パ17度目、1リーグ時代と合わせ19度目のリーグ優勝を果たした。新任の工藤監督が昨季Vのチームを引き継ぎ、投打とも他を寄せ付けずに独走した。その圧倒的な強さをデータで探る。

 ☆新人監督最多勝へ コーチ経験のない工藤監督が、指導者1年目で優勝を果たした。新人監督の優勝は12年日本ハムの栗山監督以来18人目。うち選手引退後のブランクからコーチ未経験で就任は04年中日・落合監督、前記栗山監督に次ぎ3人目になる。残り16試合中5勝で90勝に到達。史上11チーム目、球団では54~56年以来4度目の大台の可能性も十分で、新人監督では02年西武・伊原監督の90勝も更新しそうだ。また新人監督に限らず、異なる監督で連覇は42~43年巨人(藤本英→中島)、85~86年西武(広岡→森)に次いで史上3チーム目。前年の強さを損なうことなくスムーズに引き継いだ。

 ☆連敗わずか5度 序盤は混戦も、交流戦で12球団勝率1位。リーグ戦再開初日の6月19日に首位に立ち、以降一度もその座を譲らず独走した。2桁の連勝こそないが、連敗はわずか5度で最多が3連敗と抜群の安定感。特にビジターは43勝18敗1分けの勝率・705と圧倒的な強さで、62年以降では83年西武の・719を上回る最高勝率も狙える。

 ☆厚い先発層 先発した投手は12人中11人が昨季から在籍。移籍選手も多かった昨季と違い、前年からの戦力が引き続き活躍。突出した投手は不在も、武田が初の2桁勝利を挙げ成長。唯一の新加入バンデンハークは外国人新記録の来日9連勝中だ。これまで先発の3回未満降板は一度もなく、このまま終われば65年以降両リーグ初。先発全員が序盤で試合を壊さず、救援投手の負担を減らした。その救援陣では、中継ぎのバリオスが17試合連続ホールドのプロ野球タイ記録をマーク。そして最終回には、守護神2年目のサファテが君臨。連続イニング奪三振のプロ野球新記録を43まで伸ばした。

 ☆30発トリオ誕生へ 柳田が球団初のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)をほぼ確実に。その柳田と松田が初の30本塁打に到達し、李大浩もあと1本。過去1チームに30本以上4人は7度、3人は14度あるが、全員が初の大台なら50年松竹(3人)に次ぎ2チーム目。本拠ヤフオクドームに新設された「ホームランテラス」に3人で24本(本紙調べ)が飛び込み、本塁打増につながった。4番の内川は、柳田と並びチーム最多の勝利打点13と役割を果たした。(矢吹 大祐)

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2015年9月18日のニュース