工藤野球「色がないのが色」その神髄は「明るく元気に　楽しく真剣に」

「優勝」と書いた色紙を手に笑顔を見せる工藤監督（左）と東尾氏

工藤監督インタビュー（４）

　就任１年目で大輪の花を咲かせたソフトバンク・工藤公康監督（５２）。底抜けの明るさはチームを照らし、現役時代から精通し、筑波大大学院でも学んだコンディショニングの知識で体調管理も徹底させ、年間トータルして選手たちの力を発揮させた。秋山幸二前監督（５３）の電撃辞任で急きょ前年日本一チームの指揮を託され、時には失敗もあった。そんな喜怒哀楽が詰まった監督１年目に、ともに西武の黄金期を支えたスポニチ本紙評論家の東尾修氏（６５）が迫った。

　東尾　１年目の監督は自分の野球を見せたがる。選手に一番、いいものはどうなのか、つくり上げてる。

　工藤　色がないのが色かなと思います。やりたい野球はみんなが、元気で楽しくグラウンドで暴れ回る野球ですかね。ピッチャーも打たれたらどうしようとか考えてほしくないんです。調子が悪くても、オラ行け！で打たれたら「きょうはアカんかったな。あした頑張ろうか！」「ハイ、次頑張ります」とかね。野手も「空振りしてきました。すみません」「おう、次頑張れ」。そういう野球の方が、楽しい。「みんなが明るく元気に、野球は楽しく真剣に」と言ってるんです。

　東尾　クライマックス・シリーズ（ＣＳ）まで、何をやるの？

　工藤　考えてますけど、内緒です。終わった後なら言いますけどね。

　東尾　じゃあ、聞かないよ。でも、いいな、今ごろから計画できるから。セ・リーグなんか、見てみろよ。

　工藤　セ・リーグの話はいいじゃないですか。

　東尾　とにかくあらためて言うぞ。おめでとう！

　▽工藤監督と優勝　２９年間の現役生活で所属チームを１４度リーグ優勝に導いた。内訳は西武時代（８２～９４年）１１度、ダイエー時代（９５～９９年）１度、巨人時代（００～０６年）２度。１４度全て日本シリーズに出場し、１１度日本一に輝いている。